オリンパスメディカルシステムズ(株)は,「フルハイビジョン (以下,フルHD)」や「術中のレンズくもり防止」といった今後導入予定の新規スコープに搭載予定の機能に対応するなど,観察性能のさらなる向上を実現させた内視鏡統合ビデオシステム「VISERA ELITE」を2011年10月上旬から国内で発売を開始する。
また,「VISERA ELITE」に接続可能で,ハイビジョン対応の内視鏡として5.4mm径を実現した腹腔・胸腔ビデオスコープ「ENDOEYE FLEX先端湾曲ビデオスコープLTF-S190-5」も同時に発売する。今後,「VISERA ELITE」に接続可能な,各種スコープやカメラヘッド,記録機器などの周辺機器を順次導入し「VISERA ELITEシステム」として拡充を図る。
近年,内視鏡外科手術は患者さんへの負担が少ない手術として,消化器外科をはじめ,胸部外科,泌尿器科,婦人科など幅広い臨床科で普及している。こうした中,より精緻な手技を行うためには,さらに高い観察性能と同時に,その手技を支える操作性や機器の運用効率を高めるための取り扱い性能も求められている。「VISERA ELITEシステム」は,この観察性能と取り扱い性能を向上させ,医師・看護師等の医療スタッフや病院経営サイドのニーズにも対応するシステムである。
なお,本システムは7月13日から15日まで,名古屋国際会議場で開催される第66回日本消化器外科学会総会に出展される。
●主な特長
<VISERA ELITEビデオシステムセンターOLYMPUS OTV-S190 /
VISERA ELITE高輝度光源装置OLYMPUS CLV-S190>
1. フルHD画像に対応
従来機はHD画像に対応していたが,本機ではフルHD画像に対応し観察性能をさらに向上。
2. ノイズリダクション機能を搭載
ノイズリダクション機能を新たに開発。これにより,「ENDOEYE FLEX先端湾曲ビデオスコープLTF-S190-5」や今後導入を予定するスコープのほか,従来スコープとの組み合わせにおいても画質の低ノイズ化を実現した。従来のスコープでも,「VISERA ELITEビデオシステムセンターOLYMPUS OTV-S190」に接続することにより,動画だけでなく静止画においても従来機よりも画質が向上する。
3. スコープ先端部の温度コントロール機能を搭載
「VISERA ELITEビデオシステムセンター OLYMPUS OTV-S190」にスコープ先端部の温度を安定的にコントロールする機能を搭載し,今後導入を予定するヒーター機能を先端部に搭載したスコープとの組み合わせにおいて,術中のくもり防止をサポートする。
4. NBI観察に対応
光源のフィルターの最適化により,NBI(Narrow Band Imaging)観察時における粘膜表層の血管と組織がより見やすくなり,がんの早期発見,病変の悪性度や範囲診断などに貢献する。
<ENDOEYE FLEX先端湾曲ビデオスコープLTF-S190-5>
1. ハイビジョン対応の内視鏡として5.4mm径を実現
従来機では外径の制約上SD画像(標準画質)だったが,CCDの高密度化技術により,同じ5.4mmの外径でハイビジョン対応に成功した。また,観察深度は18〜100mmと深く,観察部位に合わせた焦点調整が不要。
2. 安全・迅速・経済的なオートクレーブ滅菌(高圧蒸気滅菌)に対応
安全・迅速・経済的なオートクレーブ滅菌対応の内視鏡として,5.4mm径を実現。さらにオールインワン構造を踏襲し,従来比10gの軽量化を図ることで取り扱い性能を向上。
3. 先端部が4方向,100度に湾曲可能
先端が4方向に湾曲するため,術野の正面視や対象部位の裏側の観察をサポート。また,5mmポートに挿入できるため,単孔式内視鏡手術など,より低侵襲な手術に貢献する。 |