富士通(株)は,200床程度までの中堅規模病院を対象にした電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-LX(ホープ イージーメイン エルエックス)」を,6月13日より販売開始する。
本製品は,同社が大規模病院向けに提供し業界トップシェアを誇る電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」をベースに開発しており,これまで中堅規模病院向けには提供できていなかった大規模病院並みの先進機能と,使いやすさを重視したシンプルな操作性を低コストで実現している。これにより,中堅規模病院の多様なニーズに幅広く対応するとともに,診療情報のICT化を推進する。
また,本製品の提供により,同社の電子カルテソリューションは大規模から小規模まで全ての病院に対して,機能と操作性を統一した製品体系となり,複数の病院にまたがって活躍する勤務医の操作習得にかかる負担を大幅に軽減する。
現在,中堅規模病院における電子カルテシステムの導入率は11.2%にとどまっている。ICT化への敷居の高さや予算などの関係で普及が進んでいない一方,導入を検討する施設では,求めている機能も多様化している。
「HOPE/EGMAIN-LX」は,業務要件・予算に合わせた基本となるオーダリングシステムから電子カルテシステム,看護支援システムまで段階的に導入できるため,効率的なシステム投資が行える。
また,同社のSaaS型地域医療ネットワーク「HumanBridge(ヒューマンブリッジ)」と連携し,他の医療機関とネットワーク経由で診療情報の共有が可能。地域内での医療サービスの向上,大規模災害時の医療連携を推進することができる。
●主な特長
高機能の追求
これまでに培ってきたノウハウを活かし,中堅規模病院向けの豊富な機能を搭載。たとえば,紙カルテの厚みを視覚的に表現するヒストリカルビューや,各種ビューアを一画面に表示するマルチカルテビューアなどの機能を新たに提供する。幅広い医療シーンに対応できる高機能で,病院のICT化を支援する。
使いやすさの追求
日々の多忙な診療においては,簡単に入力・閲覧できることが重要である。必要な情報へ素早くアクセスするためのインデックスや付箋,また利用者ごとにカスタマイズできるナビゲーションマップや,お気に入りボタンなどの機能を用意することで,医師・看護師をはじめとする医療スタッフの使い勝手を向上している。
メンテナンス性の追求
コンピュータシステムの管理に煩わされることのない,容易なメンテナンス性を実現している。わかりやすい設定・変更方法により,専門技術者がいなくても導入・運用が可能。また万一の障害発生時の保守作業中でも運用を継続できる独自の二重化構成により,情報担当部門のない中堅規模病院でも,安心して導入できる。
環境負荷軽減へ貢献
カルテの電子化により従来必要だった紙カルテの検索,搬送,保管業務を効率化することで,200床規模の中堅規模病院で年間3.4トンのCO2排出量削減を見込んでいる。 |