(株)日立メディコは,多彩で高品質なサービスを提供する「コンシェルジェ」をコンセプトにした次世代画像システム(PACS)「ImageConcier」(イメージ コンシェル)を発売する。
読影端末イメージ
「ImageConcier」は,従来のPACSの枠を超えて放射線科だけでなく病院の各診療科でも利用でき,被検者に関する検査データを院内で一元管理することができる。また,(株)ドクターネットとのコラボレーションにより実現した遠隔画像診断支援機能により画像診断をサポートし,簡易型放射線情報システム(簡易型RIS)機能により,院内の各診療科からモダリティの検査予約ができ,患者情報を診断装置に渡すことができることで検査予約から画像診断までをサポートする。
●主な特長
(1) 診療データコックピット
飛行機の操縦室におけるコックピットをイメージした「診療データコックピット」は,一人の被検者の検査履歴を時系列で一覧表示できる。医師や技師をはじめとした医療従事者が,被検者の名前やIDNo.をキーにして検索することで,放射線科検査だけでなく院内の各種検査結果を容易に参照することができる。従来の「放射線画像のデータ管理」としてのPACSから,病院で発生する検査データを一元管理するPACSに拡張した。
(2) 遠隔画像診断支援機能
「ImageConcier」は,レポート画面上から,遠隔画像診断依頼端末を使用することなくドクターネットに暗号化・圧縮した画像を直接転送し,シームレスに遠隔画像診断の依頼を行うことができる。診断後はレポートが送られてくるとともに,「ImageConcier」に取り込むことにより院内で作成したレポートとドクターネットから返送されたレポートの一元管理が可能となる。
これにより,病院は画像診断医の手配・スケジュール管理の業務から開放されるとともに,コスト削減が期待できる。
(3) 簡易型放射線情報システム(簡易型RIS)機能
通常,RISに搭載されているDICOM MWM機能,モダリティ検査予約機能を「ImageConcier」に搭載。これにより,PACSの上流にある医事会計システムから患者情報を取得して診断装置に渡すことができ,従来はRISがなければできなかった業務を行うことができる。すなわち,電子カルテやオーダリングシステムを導入してない施設でもモダリティ検査予約ができ,被検者の名前やIDNo.が自動的に入力されるので,入力ミスなどの人為的ミスを防ぎ院内業務の効率化を図ることができる。
(4) 「MyStyle」機能
モダリティ別・検査種別・部位別に,読影にあった画面配置や画面操作手順を読影医の診療スタイルに合わせてカスタマイズできる。これにより,自分が一番見やすい画像の表示パターンをマイスタイルとして設定でき,自分だけのオリジナルレイアウトで表示できる。
(5) 心電図ビューア機能
近年,心電図データを電子的に管理するニーズが高まっており,「ImageConcier」はMFERという心電図の新しい波形フォーマットを読み込むことで,心電図波形を解析・保存できる機能を搭載した。 |