島津製作所は,X線撮影が必要な場所に装置を移動させて,その場で検査が行える充電式のデジタル式回診用X線撮影装置で,搭載している可搬型のフラットパネルディテクタ(FPD:平面検出器)をワイヤレスにして,一層スムーズな撮影が行える新製品(商品名:MobileDaRt Evolution(モバイルダート エボリューション))を発売した。院内回診用途だけでなく,救急,災害時対策,感染症対策としても威力を発揮するとして,従来から注目のシリーズへの新ラインナップ。すでに,海外を中心に,受注,引き合いが活発で,好調なスタートを切っている。今後,拡販を進め,国内外でのさらなるシェアアップを図る。
新製品は,FPDと本体をつなぐケーブルを無くした「ワイヤレスFPD」により,患者とFPDの撮影ポジショニング(位置あわせの作業)が,一層スムーズに行える。医療スタッフのワークフローが大幅に向上するとともに,患者の負担も軽くなる。さらに,ケーブルが無くFPD全体をカバーで覆うことができるため,より衛生的であり,感染症対策が必要な場所での使用にも最適。また,新製品の本体デザインは,白鳥をイメージしたオリジナルデザインと,検査を受ける子どもや大人にも,安心感や癒しを与える動物キャラクターデザインから選択できる。
同社のデジタル式回診用X線撮影装置は,X線撮影室以外の病室や,集中治療室など,X線撮影が必要な場所に装置を移動させて撮影が行えるだけでなく,X線撮影の直後(3秒後)に本体モニタで画像確認ができることから,救急医療の現場,地震などの災害時対策,新型インフルエンザなどの感染症対策としても注目され,導入が進んでいる。
本シリーズ発売当初から,本体の総重量が420kgでありながら,パワーアシスト制御により,女性スタッフでも静かに軽快に負担なく移動できることなどから,走行性,即時性,操作性,利便性において高い評価を受け,すでに国内外で800台以上を納入している(姉妹品のアナログタイプと合わせると,国内外で5000台以上を納入)。中でも北米では,デジタル式のシェアは30%を超え,評価機関による調査でも,昨年,ユーザー満足度でトップの評価を得ている。
●主な特長
1. ワイヤレスFPDで,医療スタッフも患者も,負担が軽減
FPDと本体をつなぐケーブルを無くした「ワイヤレスFPD」により,患者とFPDの位置あわせの作業が一層スムーズに行える。ケーブルが無くFPD全体をカバーで覆うことが可能なため,清潔を保持しやすく,感染症対応などでの使用に最適。
2. 撮影3秒後に本体モニタで画像確認ができ,迅速な処置が可能
X線撮影後わずか3秒で,本体の15インチモニタに画像を表示。処置に必要な情報がすぐに得られ,迅速な対応が可能。FPDは,125μmの画素ピッチ,約950万画素で,高精細画像を実現。さらに撮影スピードが速く(最大32kW出力),姿勢を保ちにくい小児や,救急搬送された患者の場合でも,ブレの少ないシャープな画像が得られる。
3. 女性スタッフでも軽快に移動できる,抜群の走行性
ハンドルを軽く押せばスムーズに動き始め,方向転換も軽々行える。走行音も小さく,静かに軽快に移動できるため,夜間も快適に使用できる。走行時に注意音を鳴らすことも可能。
4. スムーズな操作を支援する便利な機能,安心機能を充実
X線管を備えた最長1200mmの超ロングアームで広範囲をカバーし,微妙な位置あわせも素早く無理なく行えるなど,利便性を高める各種機能を充実させている。本体ハードディスクには3500画像を保存でき,万一のバッテリー残量低下にも応急的に撮影できる追加撮影機能など,安心機能も充実している。 |