米国クック メディカル(日本法人: Cook Japan(株)[以下,クック ジャパン])は,日本での胸部大動脈瘤(TAA)の血管内治療用デバイス「Zenith® TX2® TAAエンドバスキュラーグラフト」(以下,Zenith TX2)の製造販売承認を2011年3月16日付にて厚生労働省より取得し,5月初旬より販売を開始した。
Zenith TX2は,クック社にとって日本で初めて販売する胸部大動脈瘤治療用デバイス。クック社ではこれまで,2006年に国内で初めて承認された腹部大動脈瘤(AAA)治療用のステントグラフト「Zenith AAA エンドバスキュラーグラフト」,その改良版の「Zenith Flex AAA エンドバスキュラーグラフト」を医療現場に提供し,腹部大動脈瘤の治療に貢献した。
Zenith TX2は,繊維製素材のグラフトに,グラフトの開存(開通性)を保つための金属製ステントが縫い付けられた留置型の医療機器。大腿動脈を切開し,その切開部から挿入したカテーテルを通じ大動脈内で留置される。留置されたグラフトが,大動脈瘤全長を完全にカバーできる長さを確保することで瘤の破裂のリスクを低減する。
●主な特長
- 親水性コーティングを施したFlexor®イントロデューサーシースがデリバリーとステントグラフトの位置決めを容易にする。
- H&L-B One-Shotデリバリーシステムにはトリガーワイヤーリリース機能が搭載されており,湾曲した大動脈弓に正確に留置することが可能。また,ステントグラフトを一部展開した後でも,最終的な位置調整が可能。
- グラフトの固定力を増すためのバーブとラディアル方向の固定に優れた自己拡張型Z-ステントの組み合わせにより留置後のマイグレーション(望ましい位置からずれてしまうこと)のリスクが低減される。
- サイズバリエーションが豊富で,より様々な症例への対応が可能。
クック ジャパンAI事業部 事業部長 山口直之氏は次のように述べている。「日本で初めて承認された腹部大動脈瘤治療用ステントグラフトの販売を通じて,当社はステントグラフト治療の普及に貢献してまいりました。これまでに培ってきた経験をもとに,胸部大動脈瘤治療用のZenith TX2の販売を通じて,安全で低侵襲な治療の普及により一層貢献できるよう努めてまいります。」 |