新製品・企業情報

 
X線装置  X線装置

コニカミノルタ
世界最軽量,ワイヤレスタイプの
カセッテ型デジタルX線撮影装置
「AeroDR(エアロディーアール)」 新発売

(2011/4/20)

●価格
3275万円(税別)
●問い合わせ先
コニカミノルタヘルスケア(株)
TEL 042-589-1439
http://www.konicaminolta.jp/

AeroDR(エアロディーアール)

  コニカミノルタエムジー(株)は,世界最軽量,ワイヤレスタイプのカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR(エアロディーアール)」を発売した。

  医療情報のIT化が急速に進む中,X線撮影の分野においても,新たなデジタルX線撮影装置として画像をダイレクトに取得出来るDRが実用化され,この10年間でX線装置一体型のDRとして大病院を中心に普及してきた。しかしながら,カセッテ撮影の多くは,依然CRが使用されているのが現状。カセッテタイプDRも徐々に導入されつつあるが,カセッテ用途には重量が重く,また,パネルへの電源供給とデータ通信を兼ねた有線ケーブルが付属しているなど,作業性に影響する問題を多く残していた。コニカミノルタは,カセッテ型DRに求められる要件と機能を分析し,これらの問題を解決したカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR」を開発した。

  今回発売した「AeroDR」は,画像データの送信が無線で行えるワイヤレスタイプのカセッテ型DRとしては世界最軽量の2.9kgを実現。整形外科領域の撮影などで,カセッテをハンドリングする際の作業性を格段に向上させる。さらに,独自に開発した同社生産のヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)使用により,CRに比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができる。

  また,環境・エネルギー分野を中心に次世代バッテリーとして注目されているリチウムイオンキャパシタを業界初採用。安全性が高く発火の危険性が無い,充電速度が速い,充放電を繰り返しても劣化しにくいという特長があり,30分でフルチャージが完了する高速充電を実現した。さらに,画質性能や処理能力とトレードオフの関係にある消費電力問題を新開発のICや様々な設計技術により解決。大幅な消費電力の削減にも成功した。

  カセッテサイズはISO4090に適合しており,既存の撮影台にそのまま使用することができる。このためコスト面も含めて導入し易く,より多くの医療現場でX線照射量の低減とデジタル画像診断のさらなる効率化に貢献できるものと考えている。

●主な特長

1. 世界最軽量
重量は内蔵されたバッテリー含め2.9kgと,ワイヤレスタイプDRとして世界最軽量を達成。
また,パネル筐体(外装)に,カーボンファイバーを採用し,これを継ぎ目の無い筒状モノコック構造として仕上げたため,荷重や衝撃に強い,堅牢性の高いパネルを実現することができた。

2. ワイヤレスタイプ
無線対応のワイヤレスタイプですので,操作の妨げとなるケーブルなどが無く,CRカセッテ使用時と同様の撮影環境を提供する。
また,X線曝射後1秒台でコンソールモニターにプレビュー画像が表示されますので,撮影が適正だったか等の確認を瞬時に行う事ができ,これまでに無い快適な操作性を実現する。

3. CRの約半分のX線照射量でも高画質
本製品では,右図のように保護膜(Protective layer)を介さずにヨウ化セシウム(CsI)シンチレータ(蛍光体)をTFTセンサーパネル上に直接接触させる「直接貼りあわせ技術」を採用したため,シンチレータで発した光をTFTとの接触面で拡散させることなくフォトダイオードまで導くことが可能となり,より精細な画像を形成する。
この新構造と独自のCsI柱状結晶成長技術により,CRに比べ約半分のX線照射量でも高画質の診断画像を得ることができる。

4. 省電力設計
画質性能や処理能力と消費電力はトレードオフの関係にあるため,高画質や高速処理を実現しようとすると,相応の消費電力が求められる。コニカミノルタは,このトレードオフ問題に挑戦。画質を左右する重要部品でありながら消費電力が高いReadout ICの省電力設計に成功した。また,無線LANモジュールやCPUの省電力駆動の採用,センサー部への電力供給を維持したまま,その他の部品への電力供給をストップする「センサーオン待機」の実現など,様々な「ダイナミック電力制御技術」により,画質性能,処理能力を維持したまま大幅な消費電力の削減を達成している。
このため,フル充電後では120画像/2時間の撮影が可能。パネル電源をONしたまま14時間待機させた後でも,約10枚程度の撮影が可能。

5. 業界初リチウムイオンキャパシタ採用のバッテリー
環境・エネルギー分野を中心に次世代バッテリーとして注目されているリチウムイオンキャパシタを業界で初めて採用し,パネル本体に内蔵。
リチウムイオン二次電池に比べ,リチウムイオンキャパシタは安全性が高く,過充電,落下衝撃などに起因する発火の心配がない。
また,充電速度も速く,クレードル(専用充電器)を使用した高速充電では,わずか30分程度でフル充電が完了する。バッテリーが残量ゼロの状態からでも3分間の充電で十数枚の撮影が可能なため,緊急の撮影にも即座に対応できる。
さらに,充放電を繰り返しても劣化しにくいことから,バッテリー交換の必要も無く,交換の手間とコストがかからない。バッテリー交換用の取り出し口が無くなり,バッテリー内蔵の一体型構造が可能となるため,製品強度も格段に高くなっている。

6. 既存の撮影台にそのままセット可能
本製品は,X線撮影用カセッテのサイズを規定したISO4090(国内対応規格:JIS Z 4905)に適合しているため,既存の撮影台にそのままセット可能。コストを抑制しつつX線画像システムのDR化を行うことができる。
また,ローミング技術の採用により,1枚の「AeroDR」を複数のX線撮影室で共通に使うことができる。他にもパネルを複数枚導入した場合にバックアップ運用が行えるなど,安心で効率的な作業環境を低コストで実現することができる。