近畿大学は2010年12月24日(金),大阪府大阪狭山市の近畿大学医学部附属病院にて,入院患者を対象に,大学教員が東大阪キャンパスからインターネット中継によって講義を提供する試みを行った。
これは,「Bedside University―院内大学web講座」と名付けた新たなプロジェクトで,同病院と近畿大学文芸学部による「ホスピタルアメニティ」(快適な医療環境)実現へ向けた共同研究の一環である。
これまで,院内での美術作品展示や空間デザインの改善などを行ってきたが,新たに導入した「Bedside University」では,総合大学の利点を活かし,教員による本格的な講義を院内で受講する機会を設けることで,単調になりがちな院内生活に知的刺激をもたらし,より豊かな時間を過ごしてもらうことを目的としている。
第1回目となる今回は,午後3時30分から1時間にわたり,文芸学部長の井面(いのも)信行教授が「絵画鑑賞教室 日常礼賛―ヨハネス・フェルメールの魅力―」と題して講義を行った。東大阪キャンパスにある情報処理教育棟「KUDOS(キューダス)」内のスタジオから,インターネット回線で附属病院PET棟3階の大会議室へ映像・音声を中継し,17人の入院患者が熱心に聴講した。
近畿大学は今後も,さまざまなテーマで大学教員による講義を継続して開催し,“病院内大学”として定着させていくとしている。 |