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電子カルテ  医療情報システム(電子カルテ)

韓国Wonkwang大学病院が
富士通の電子カルテシステム「FK-EMR」の本格運用を開始

(2010/12/21)

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  韓国のWonkwang(ウォンギァン)大学医科大学病院は,富士通が韓国で開発・販売している電子カルテシステム「FK-EMR(エフケー・イーエムアール)」の本格運用を開始した。これによりWonkwang大学病院の医師や看護師は,電子化された病院内の全診療記録をリアルタイムに共有でき,診察や看護の業務効率,患者の待ち時間の短縮など患者の満足度向上が図れる。また,カルテの文字が電子化されることで文字の認識が容易になり,医療における安全性の強化にも貢献する。富士通は,日本の医療分野における電子カルテ事業のノウハウや導入実績,Wonkwang大学病院向けの導入経験をもとに,韓国内の医療ICT市場への取り組みを強化し,韓国における高品質な医療活動に貢献していきたいと考えている。

  電子カルテシステムは,日本において約40%導入されているが,韓国の病院では,約20%にとどまっている。一方,検査オーダーや薬の処方情報などを管理するオーダリングシステムは,約70%導入されるなど広く普及しているが,近年,より患者の利便性や安全性の向上を目的とした,電子カルテシステムの導入が進んでいる。

  1980年に設立されたWonkwang大学病院は,病床約800床,医師約300名が在籍する大規模病院。世界に通じる病院へと発展するために,1998年にオーダリングシステム,2002年に医用画像管理システム(PACS)を導入し,診療情報の電子化を図ってきた。このたび病院内のカルテやオーダーなどの医療情報の統一,さらなる業務効率,患者利便性・安全性向上のため,日本の電子カルテ市場でトップベンダーであり,また韓国の大規模病院向けに導入実績のある富士通の電子カルテシステム「FK-EMR」を選定した。

  本システムは,既存のオーダリングシステムに,従来紙カルテで記録していた個人情報,病歴,診療,入退院の記録,各種検査結果や画像データなど,診療中に発生する医療情報を全て追加し,電子カルテで一元管理ができる。これにより,看護師や検査技師など必要な部門において,リアルタイムに電子カルテの閲覧や記入ができ,情報共有がスムーズになるなど利便性が向上する。また,手書き文字による誤認識が防止できることによる安全性の向上や,紙カルテの保管・管理にかかっていたコスト削減も可能となる。

  本システムは,Wonkwang大学病院で長年使用されてきた紙カルテに書かれている情報を洗い出し,診療科や疾患の種類ごとに違うカルテのフォーマット約3,000種類や,カルテに記入すべき医療用語約15,000項目を用意することで,入力の負荷軽減を実現している。また,電子カルテのフォーマットには,疾患ごとに記入すべき全項目の入力欄があり,記入漏れ防止や記入方法の統一によりカルテ情報の品質確保が可能。

  Wonkwang大学病院は,本システム導入後,診療時間の大幅な短縮が可能となり,一日に診療できる外来患者を約300人に増やすなど,患者満足度の向上も実現している。今後も患者の立場にたった診療という病院方針のもと,さらなる最先端技術を駆使して診療環境の改善,病院の競争力を高め,また医療行為の品質向上を目指し,他の病院との差別化を図ったサービスを提供する予定。

  富士通は,今後も富士通韓国と相互連携し,日本における本分野の実績をもとに,韓国の病院向けに電子カルテシステムの開発・導入を行うことで,韓国において高品質な医療活動に貢献していきたいと考えている。