オリンパスメディカルシステムズ(株)は,膵臓や胆道領域の精密検査と病理診断をサポートする超音波内視鏡の新製品として「超音波ガストロビデオスコープOLYMPUS GF TYPE UCT260」(以下,「GF- UCT260」)を2010年12月14日から国内で発売する。海外地域(イギリス,香港,台湾,シンガポール,韓国,中国等)は各国の法規制に対応でき次第,順次販売を予定している。
「GF- UCT260」は,通常の内視鏡と生検鉗子の組み合わせでは難しい位置の組織採取が可能な超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)にも対応し,画像診断だけでなく病理診断もサポートする。
超音波内視鏡は,体腔内に挿入した内視鏡の先端部から超音波を発し,その反射画像から体腔内の検査を行う内視鏡。1980年代に体外式超音波など体外からのアプローチでは検査が困難な膵臓がんの早期発見を目的に開発・実用化されてから,胆道がんの診断や胃がんの深達度診断,2000年代には肺がんのリンパ節転移診断を目的とした超音波内視鏡下穿刺術(EBUS-TBNA)が実施されるなど,使用範囲が拡大してきた。今回は,医療現場において,膵臓や胆道領域で施行数が多い超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)のサポート性能向上を目指して「GF-UCT260」を導入。なお「GF-UCT260」は,2001年に導入した「GF-UCT240」の後継機となる。
●主な特長
新探触子採用による超音波画質の向上
新開発の高感度コンベックス型探触子を採用し,超音波性能を向上。解像度と感度の向上による高画質の超音波画像が,観察から処置までをサポート。
新チャンネル構造による処置具の挿通性向上
処置具のよりスムーズな挿通を目指し,チャンネル(スコープ内部にある管状の空洞)の構造を改良。また,新構造の鉗子起上台を採用することにより,穿刺の際の穿刺針の揺れを防げる構造にした。
着脱可能な超音波ケーブルを採用
着脱可能な超音波ケーブル(別売)を採用することにより,洗浄消毒装置への収納など,検査終了後の取扱いが簡便に行えるようになった。 |