富士通は,無床診療所向けに,医療事務一体型電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-RX(ホープ イージーメイン アールエックス)」を,11月2日より販売開始する。
本製品は,受付から診療,会計,レセプト(診療報酬明細書)作成まで,無床診療所の業務に必要な医療事務機能と電子カルテ機能を一体化したシステムで,診療情報やレセプトを電子化することで,医師と事務スタッフ間での迅速なデータ共有を可能にし,診療所業務を効率化する。また,同社の地域医療ネットワークシステムと連携させることで,地域において,大病院から無床診療所まで一貫して質の高い医療を実現する体制整備を支援する。さらに本製品は,一度のセットアップ作業で医療事務と電子カルテの両機能を導入できるうえ,すでに同社の医療事務システムを利用している無床診療所は簡単な設定で移行できるため,システム導入のためのコストや作業負荷を大幅に軽減し,無床診療所におけるICT利活用を促進する。なお,本製品では,紙カルテやレセプトの電子化により,無床診療所一件当たり年間2.2トンのCO2排出量削減を見込んでいる。
●主な特長
1. 医療事務機能と電子カルテ機能を一体化し,診療所業務を効率化
一つのシステムで医療事務と電子カルテの機能を融合させており,医師が診察室にいながら患者の来院状況の確認やレセプトの点検をすること,また事務スタッフが会計確認中に診療情報を参照することが可能になり,診療所の業務を効率化する。また,同社の地域医療ネットワークシステム「HOPE/地域連携」との連携機能を標準搭載しており,診療情報を病院と共有する機能などにより,地域医療の質の向上を支援する。
カルテ作成画面
2. 同社の医療事務システムから,容易に移行が可能
同社の医療事務システム「HOPE/SX-R」から有償にて,本製品へ容易に移行することができる。これまで電子カルテシステムの導入に踏み込めなかった無床診療所でも,手軽に利用を開始することができる。
3. さらなる使いやすさの追求により,診療業務の効率化を支援
日々の診療で入力した所見が文例として蓄積され,次回の入力時に文例候補として自動表示する機能や,病名・行為登録で入力内容に応じて候補を自動表示する機能など,使いやすさを追求した新機能を搭載している。さらに,ワイドディスプレイへの対応により一画面に多くの情報を表示することや,文字サイズを拡大・縮小することができるので,利用者一人ひとりにあわせた使いやすい環境を提供する。
また,カルテへの入力作業を大幅に軽減する統合入力ツールなど,各種入力補助機能を取り揃えており,オンラインマニュアルによるガイド表示を充実させたことによって,パソコン操作に不慣れな医師でも簡単にカルテが作成できる。
4. 同社の実績ある医療事務機能を統合
本商品の医療事務機能は,3万7,000件を超える医療事務システムの導入経験によって培われたノウハウを活かし,レセプトオンライン請求データのリアルタイム作成機能,レセプトの時系列表示など,高度な機能を豊富に備えている。 |