(株)ナナオは,手術室向け画像表示モニター5機種,および信号配信マネージャー1機種を2010年11月15日より順次発売し,医療市場向け事業の更なる強化を図る。
これまで同社は,病院施設内の読影室や検査室,診察室等で使用される医用画像表示モニターをラインナップ化し販売を行っており,主として表示機器であるモニターの開発に注力してきた。今後はモニターに表示する画像を自在にコントロールするシステムの開発も強化し,モニターとコントロールシステムの組み合わせを新しい画像ソリューションとして提案し,これまで未参入であった手術室分野に向けて販売活動を本格的に実施する計画。加えて,内視鏡手術・検査に特化した画像表示モニター4機種を本年11月に一斉に発売し,内視鏡画像表示用モニターの販売も推進していく。
手術室では手術中に参照が必要となる,心拍数・レントゲン写真・超音波画像・内視鏡画像などさまざまな情報が表示されている。従来これらの情報は画面サイズが19型クラスの複数のモニターに表示され,隣接するコントロール室からその表示内容を切り替えているが,複数モニター上での表示レイアウトに制限があること,また画像切り替えに使用するパソコンの維持管理作業が必要である。
これに対し,同社が提案する新しい手術室向け画像ソリューションは,複数台モニターに表示されていた画像を56型をはじめとする大型モニターに集約し,それらの画像をコントロールシステム(信号配信マネージャー)から一括で管理する。例えば各画像のレイアウトや位置,大きさ,画像の切り替えなどを自在に変更できるため,手術現場の医師のニーズに素早く的確に対応する。また,信号配信マネージャーは信号切り替え機能に特化しているため,従来のパソコン使用時では必要であった維持管理作業を大幅に削減できる。
同社では,この信号配信マネージャーの新モデル「LMM0801-L」を,2011年前半の発売を目指し開発中。また,47型の手術室向け画像表示モニター「RadiForce LX470W」を2011年1月11日に販売開始する。本モニターは手術室での使用を想定した医療規格を取得しているだけでなく,DICOM Part14に準じたグレイスケールも表示可能な本格的な大型手術室向け画像表示モニター。手術参照用レントゲン画像等の医用画像の表示と,内視鏡画像表示がこの1台で実現できる。
加えて,内視鏡手術用途及び内視鏡検査用途として,内視鏡画像表示モニターを4機種,11月15日に一斉に発売する。さまざまな内視鏡システムとの互換性を確保した15型から24型ワイドまで4種類の画面サイズのモニターを揃えることで同用途の幅広いニーズに応える。
なお,11月17日より独デュッセルドルフ市で開催される,国際医療機器展「MEDICA 2010」にて,今回発表製品の初の展示を行う。
●今回発表の製品について
LMM0801-L 【信号配信マネージャー】
さまざまな映像機器からの入力信号を一括管理し,大型モニター上での画像表示サイズや位置の柔軟な変更を可能にする,配信画像管理機器。
RadiForce LX470W 【47型(119 cm) カラー液晶モニター】
47インチ高輝度ワイドパネルを搭載した大型の手術室向け画像表示モニター。見る位置や角度による色合いの変化が少ない広視野角パネルを採用し,DICOM Part 14に準拠することで医用画像を忠実に再現。
RadiForce EX240W 【24型(61 cm) カラー液晶モニター】
RadiForce EX210 【21.3型(54 cm ) カラー液晶モニター】
RadiForce EX190W 【19型(48 cm) カラー液晶モニター】
RadiForce ES150 【15型(38 cm) カラー液晶モニター】
さまざまな内視鏡装置に接続できるようHD-SDIを含めた多彩な入力信号に対応し,的確な映像表示を可能にした内視鏡画像表示モニター。画面サイズの異なる4機種をラインアップしさまざまな表示ニーズに対応。
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