GEヘルスケアグループの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン(株)の最新磁気共鳴断層撮影装置(MRI)「Brivo MR355(ブリボー・エムアール・サンゴーゴー)」のグローバル1号機が,社会医療法人社団 菊田会 習志野第一病院で稼働を開始した。
習志野第一病院で初稼働を始めたBrivo MR355は,同社が開発・製造し,2005年12月の発売以来,既に全世界で550台以上と同社製MRIの中で最速の受注を続けている「Signa HDe(シグナ・エイチディーイー)」シリーズの後継機種。日本のMR技術チームが中心となり,国内医療機関の多様化するニーズに応えるためにBrivoブランドとして開発し,本年4月に発売した1.5T(テスラ)装置である。
Brivo MR355は,MRIで初めて専用機械室をなくした省スペース性と消費電力を4割削減した省エネ性能など,既に世界の医療機関から高い評価を獲得しているSigna HDeシリーズをベースに,その優れた経済性を一段と進化させながら,さらなる操作性向上と性能強化を実現した装置。操作性向上に貢献するのが,同社初となる受信用コイルをテーブル内部に埋め込んだ固定式患者テーブルと,頭部検査での位置決め自動化や撮像条件設定の簡略化などの撮影支援機能。固定式テーブルの採用で検査ごとのコイルの入れ替えをなくし検査効率をアップしたほか,新たな撮影支援機能の搭載で操作者のMRI経験に応じた利便性を向上した。性能面では,非造影の血管撮像(MRアンギオグラフィー)の適用範囲を,これまでの頭部・頚部を中心とした領域に加えて,医療機関からのニーズの高い四肢や腹部にまで拡大したほか,門脈などの任意の血管撮像を可能にした。また,MRI撮像において重要な,動きの影響を最小限に抑える「Propeller(プロペラ)」を強化するなど,一段と付加価値の高い診断を実現した。
Brivo MR355を導入した習志野第一病院の三橋稔院長は,「当院には以前,永久磁石型とGE社製Signaブランドの1.5Tの2台のMRIがあったが,この2台の性能差のため,1.5TのSigna装置指定で検査をオーダーする先生が圧倒的に多く,検査の振り分けに腐心していた。この永久磁石型の代わりにBrivo MR355を導入した現在では,この振り分けもなく,1.5Tと同等以上の高い質の検査を効率よく実施できるようになった。特に整形領域では,検査効率に優れているだけでなく,画像分解能も高いため,とても満足している」と,本MRIの有用性を述べている。
また,同院の放射線科 青木技師長は,「以前永久磁石型装置を設置していた場所をデッドスペースとすることなく,かつ1.5Tと同等以上の装置を希望していた。Brivo MR355は,以前永久磁石型装置を置いていた部屋に大がかりな工事をすることもなく設置でき,しかもSigna1.5Tと同等以上の検査パフォーマンスを持つため,患者を検査内容によって分ける必要もなく,大変効果的である。特に高齢化に伴い今後増えると見込まれている整形領域においては,画質もすばらしく,非常に満足している」と,同機の臨床メリットを高く評価している。
同社では今回の初号機納入を皮切りに,国内のみならず世界各国の中規模総合病院や脳外科・整形外科などの専門施設を中心にBrivo MR355の積極的な拡販を展開していく。また,Brivo MR355と同時発売した,3Tの磁場強度を有する同社製MRIの現在の最上位機種「Discovery MR750 3.0T」,ならびにBrivo MR355と同じくSigna HDeシリーズをベースにその上位機種として国内で開発・製造した「Optima MR360」をそれぞれ,先端的の研究機関や大学病院などの大規模施設,官公立総合病院や地域基幹病院を中心に販売することで,新ブランドの認知向上と一段の売上拡販を狙う。 |