東芝メディカルシステムズ(株)は,中小規模の施設を対象に,13×14インチの高精細X線平面検出器(Flat Panel Detector:FPD)を搭載したデジタルX線TVシステム「Raffine(ラフィーネ)」を開発し,10月1日より全国で販売を開始する。
Raffine は,視野サイズ13×14インチのFPD “FPD1314” を,コンパクトな透視撮影台とヒューマンインタフェースに基づいた直観的な操作を可能とする操作卓に搭載し,高級機クラスの高精細な画像と高い操作性を実現した。東芝の画質コンセプト“PureBrain”による,診断に適した高画質な透視像と撮影像を提供する。
●主な特長
1. 消化管検査に最適な視野サイズのX線平面検出器を搭載
従来のイメージインテンシファイア(I.I.)や四切のフィルムに比べ,より広い13×14インチのFPDを採用することで,大腸の湾曲部や変形胃の撮影における位置決めが容易になる。 また,臨床目的に応じて適切な視野を確保することが可能。
2. 診断に適した画質を提供
143μmの微細な画素ピッチと,微細ファイバ構造のCsI(ヨウ化セシウム)膜からなるFPDにより,I.I.システムに比べて高精細な画像が得られる。さらに,拡大視野サイズにて1画素の信号を1データとして読み出す透視方式(マイクロビュー)が可能で,透視像の解像度が向上。 また,デジタル補償フィルタにより,透視像や撮影像の黒つぶれや白飛びを軽減することができるため,検査部位による影響が少なく,見やすい画像が得られる。これらのハードウェアと画像処理技術を統合して,観察しやすい画像を提供するのが東芝の画質コンセプト“PureBrain”。
3. 高い信頼性で画像を保存
収集した画像は,ミラーリングにより独立したハードディスクに二重に保存する。 さらに,ブルーレイディスクへの画像バックアップが可能であり,フィルムレス運用をサポート。また,ネットワーク接続によるサーバへのDICOM保存にも対応している。
4. 省スペース,低ランニングコストを実現
設置面積が従来のFPD搭載のX線TVシステムより小さく,単相電源での稼動が可能。 非稼動時の通電や空調を必要としないため,ランニングコスト削減を可能とし,ビル診療所への設置にも適している。設計段階から地球温暖化の防止,資源の有効活用,規制物質の削減を目指して環境負荷の軽減を図っており,環境調和型製品(環境に配慮した製品)の開発に取り組んでいる。
5. 検査のワークフローを改善
デジタル化により透視像および撮影像を即座に観察し,画像保存ができるため,検査から画像診断までの時間が大幅に短縮される。 また画像処理装置に処理速度に優れたPCと最新のOSを採用し,操作レスポンスを向上した。 患者名の登録から寝台操作,透視撮影,画像保存まで,わかりやすい操作性を実現し,ストレス無く検査に集中できる。
|