東京特殊電線(株)は,同社独自の“ISDテクノロジー(特許申請中)”を搭載した,デジタルマンモグラフィ用の21.3型医用画像表示用モノクローム液晶ディスプレイ“MS31i2”(900万サブピクセル)について,FDA(米国食品医薬局)510(k)*を取得した。300万画素液晶パネルを搭載した機種としては世界初となり,2010年10月より販売を開始する。価格はオープン。
なお,本製品は,第96回北米放射線学会(シカゴ市 2010年11月28日〜2010年12月3日)に出展される。
*Food and Drag Administrationの略。FDA(米国食品医薬局)は,食品や医薬品さらに化粧品,医療機器,動物薬,玩具など,消費者が接する機会のある製品について,その許可や違反品の取締りなどの法規管理を専門的に行う米国政府機関。
乳癌の検査をするマンモグラフィは,微細病変の読影において極めて高い表示性能が必要とされることから,高精細な500万画素液晶ディスプレイが主に使用されている。しかし,液晶パネルは精密な技術が必要なため,解像度が高くなるほど製造が難しく,500万画素液晶を搭載したディスプレイは高コストとなっていた。
同社は,このような背景の中で,モノクローム液晶パネルの1つの画素(ピクセル)を構成する,3つのサブピクセルを独立ドライブ(表示)することにより解像度を3倍化し,大幅なコスト上昇を抑えつつ表示性能を向上させる“ISDテクノロジー”を開発してきた。
MS31i2に,“ISDテクノロジー”を採用することにより,900万サブピクセル表示が可能となる一方で,従来の500万画素液晶を搭載したマンモグラフィディスプレイに比べローコストでの製品提供が可能となる。
各医療機関の協力により各種臨床試験及び物理試験を実施し,900万サブピクセル表示が500万画素モデルと同等以上の表示性能であることを立証し,FDA(米国食品医薬局)からデジタルマンモグラフィ用ディスプレイとしてFDA510(k)を取得(K090947)した。
●ISDテクノロジーについて
入力画像の詳細な情報に応じ,1つのピクセルの中にある3つのサブピクセルを独立ドライブ(表示)することにより,表示ピクセルを3倍化して超高精細表示を実現する技術。(特許出願中)
※ 画像表示にはISDテクノロジーに対応した専用のビューワーソフトウェアが必要。 |