富士通は,診療所から300床の中堅病院を対象に,レセプト業務を効率化する医療事務システム「HOPE/SX-R(ホープ エスエックス アール)」を販売開始する。
本製品は,診療内容に応じて審査支払機関に対して発行するレセプト(診療報酬明細書)を作成する業務の効率化を支援する。従来,医療機関で月末・月初にまとめて作成していたレセプト電算データを,会計入力が完了すると同時にリアルタイムで自動的に作成することができる。これにより,医療機関は,月末・月初に集中していたレセプト処理を日々の業務の中で実施することが可能となり,事務スタッフの作業負荷を大幅に低減できる。
また,画面と連動したヘルプ機能や,ユーザ自身が画面レイアウトを変更できる設定機能など,使いやすい操作性のもと,日々の業務の効率化を実現できる。
医療機関による審査支払機関への診療報酬請求方法は,2011年度よりレセプト電算データによる請求が原則となるとともに,オンライン請求もしくは電子媒体による請求が義務化される。一方,政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)では「レセプト情報の有効活用」が施策として掲げられており,医療に関する各種情報の電子化に向けた機運が高まっている。これらを受け,病院や診療所ではレセプトの電子化が急速に進んでいるが,レセプト電算データの作成業務は月末・月初に集中し,事務スタッフおよびシステムにかかる大きな負荷が課題となっている。
同社は,これまでの3万7,000件を超える医療事務システムの販売実績をもとに,会計完了時にリアルタイムでレセプト電算データを作成し,レセプト業務の負荷を軽減する「HOPE/SX-R」を提供する。
●主な特長
「HOPE/SX-R」は,パソコン1台のスタンドアロンから50台のクライアントサーバシステム構成まで対応が可能で,電子カルテシステムをはじめとした数多くの同社の医療向けシステムとの連携機能による幅広い拡張性を有し,診療所から中堅病院まで利用できる。また,無床診療所向け電子カルテシステムにも簡単な設定で移行できる予定。
レセプトのオンライン請求向けに最適化した機能により業務負荷を軽減
会計入力終了時に自動的にレセプト電算データを作成。作成されたレセプト電算データが正しいかどうかのチェック結果を随時確認できるため,日々の業務の中で間違いを修正することで,レセプト提出時期の作業が大幅に軽減される。
また,提出するレセプトの一覧表示,個々の内容表示,提出・保留の指定などを統合して行う機能によって,レセプト作成業務の効率化をサポートする。
さらに,会計入力中のレセプト表示機能では,過去分のレセプトも簡単に素早く確認することができ,月をまたいだレセプトの内容確認が可能。
シンプルで使いやすい操作性を追求
画面の基本構成をワイドディスプレイに対応させると同時に,文字サイズの拡大・縮小にも対応するなど,利用者一人ひとりにあわせた使いやすさを実現。
また,画面と連動したオンラインマニュアルの表示機能により,その場で適切な操作方法を簡単に確認できる。
さらに,病名・行為の日本語入力による検索ができるようになり,システムの操作に慣れない人でも簡単に入力が可能。 |