富士フイルム(株)の子会社で米国の医療事業を担うFUJIFILM Medical Systems USA, Incは,富士フイルムグループの100%子会社であるProblem Solving Concepts Inc.社(以下プロソルブ社)ならびにEmpiric Systems, LCC社(以下エンピリック社)を平成22年8月2日付けで統合する。これら2社を統合することにより,医療ITシステムの開発力をより一層強化し,さらなる事業拡大につなげるとともに,間接業務の集約などにより,経営の効率化を図る。
プロソルブ社は,高いソフトウエア技術を背景に,主に心臓疾患の診断と治療をおこなう循環器部門向けの医用画像情報システムを独自に開発,販売している会社。心臓疾患に代表される循環器疾患の診断・治療に必要な動画表示,心電図との同期,計測機能などに加え,カスタマイズ可能な充実したレポート作成機能が高く評価され,米国を中心に世界約460施設の循環器部門に同社のシステムが導入されている。
エンピリック社は,全世界で3000以上の医療機関に導入されている医用画像情報システム「SYNAPSE(シナプス)」と同様にウェブベースの放射線情報システムを開発,販売している会社。同社のシステムは,サーバ側にアプリケーションソフトがすべてインストールされ,ネットワークでサーバと繋がったクライアント側はソフトのインストールが不要である。システムの導入やバージョンアップの容易さ,拡張性の高さ,ほかのウェブシステムとの親和性の高さ,などの特長からユーザーの高い評価を得ており,現在,米国を中心に世界約250の施設に導入されている。
富士フイルムは,FUJIFILM Medical Systems USA, Incを通じ,平成18年12月にプロソルブ社,平成20年11月にエンピリック社を買収し,それぞれのシステムを富士フイルムの医用画像情報システム「SYNAPSE」に統合し提供している。「SYNAPSE」に,プロソルブ社の循環器部門向けのシステムを統合することで,より幅広い医療画像を扱えるよう機能を拡大させ,また,エンピリック社の放射線情報システムを統合することで,放射線科の顧客に優れたワークフローと効率性を実現している。今般,プロソルブ社とエンピリック社をFUJIFILM Medical Systems USA, Incに統合することで,医療ITシステム事業をさらに発展させていく。 |