オリンパスメディカルシステムズ(株)は,大腸がんなどの検査・治療に使用される内視鏡の新製品として「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープOLYMPUS PCF TYPE PQ260L/I」(以下,「PCF-PQ260L/I」)を,2010年6月中旬から国内で販売開始する。海外地域(イギリス,中国,韓国,台湾,シンガポール等)は各国の法規制に対応でき次第,順次販売を予定している。
大腸は4つの急峻な屈曲部と約120〜150cmの長さを持つ臓器で,内視鏡による検査・治療において,挿入性と受診者の負担軽減が課題となっている。「PCF-PQ260L/I」は,受動湾曲,高伝達挿入部の2つの新機能および細径化により,この課題解決を目指した新製品。受動湾曲はスコープ先端に設けられている通常の湾曲部のすぐ後ろに位置し,軽く腸壁に押し当てられただけで自然に曲がる機能で,挿入する力を先端部まで伝わりやすくする高伝達挿入部と共に,急峻な屈曲部を持つ大腸においてスムーズな挿入をサポートする。また,先端部外径9.2mmの細径化により,より負担の少ない検査を追求している。
●主な特長
屈曲部における挿入性を追求した「受動湾曲」
受動湾曲はスコープ先端に設けられている湾曲操作可能な通常の湾曲部のすぐ後ろに位置し,軽く腸壁に押し当てられただけで自然に曲がる機能。特に日本人に多いやせ型の女性や,腸管同士や他臓器との癒着がある患者さんに対する負担軽減と,挿入性向上を追求している。
手元から先端への力の伝わりやすさを追求した「高伝達挿入部」
大腸内視鏡の操作では,大腸の長さや形状により,手元側の力が途中のループやたわみで失われ,挿入が困難になるケースがあるが,「PCF-PQ260L/I」では手元の力を先端部まで伝わりやすくする高伝達挿入部により,スムーズな挿入をサポートする。
さらなる細径化で受診者の負担軽減を追求した「先端部外径9.2mm」
より負担の少ない大腸内視鏡検査をめざし,先端部外径・軟性部外径ともに9.2mmという細さを実現。(従来からある細径大腸内視鏡「PCF-P240AL/I」の先端部外径は10.3mm,軟性部外径は10.5mm。)
また,直径2.8mmの鉗子口を装備しているため,高周波スネアなど処置具が使用でき,隆起性病変を切除するポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)などの治療も可能。 |