富士フイルム(株)は,平成22年度より,従業員のがん検診受診率向上に向けた,「従業員への各種啓発活動」「精度の高い検診機会の提供」「推進体制の構築」などのさまざまな取り組みをスタートさせる。平成23年度末までに,従業員の肺がん,胃がん,大腸がん,乳がんの検診受診率を90%以上,子宮がんの検診受診率を50%以上とすることを目指す。
現在,日本は2人に1人が “がん” を患い,3人に1人が “がん” で亡くなる「がん大国」。がんは,早期発見・早期治療することが大切だが,がん検診の重要性に関する認知度は徐々に上がっているものの,がん検診受診率は依然として低迷したまま。受診率の向上には,がん検診に対する理解をさらに高めることや,検診しやすい環境を整えることなどが大切と言われている。
富士フイルムは,平成15年より乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝えるピンクリボン運動に賛同し,各種イベントに協賛するとともに,社内向け「乳がん検診啓発セミナー」や,検診バスを活用した「社内乳がん検診」の実施,補助金制度拡充など,さまざまな取り組みを実施してきた。平成21年10月には,富士フイルムと富士フイルムメディカル(株)の2社が,厚生労働省が創設した「がん検診受診促進企業連携推進事業」の「推進パートナー企業」に登録し,従業員のがん検診受診率向上に積極的に取り組んでいる。今後は,乳がんだけにとどまらず,早期発見による生存率が相対的に高く,かつ日本人の罹患率が高い5がん(肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん・子宮がん)に対象を広げ,がん検診受診率の向上にむけ,さまざまな活動を展開していく。
1. 実施内容
(1) 啓発活動
[1] 6月2日開催の胃がんセミナーを皮切りに,各がんに関する社内セミナーや映画上映会などの啓発活動を実施。
[2] 従業員向けイントラサイトに「がん検診特集ページ:がん検診へGO!」を立ち上げ,5がんの基礎知識・検診方法などを紹介。
[3] 定期健康診断でのがん検診受診喚起と受診漏れ防止の徹底。
(2) 精度の高い検診機会の提供
[1] マンモグラフィや超音波画像診断装置による社内乳がん検診を実施。検診バスなどを活用し,職場で受診できる体制を構築。
[2] 同社製経鼻内視鏡による胃がん検診を足柄地区と西麻布地区で実施。
(3) 推進体制の構築
「がん検診プロジェクトチーム」を発足。具体的なアクションプランの立案や遂行など,目標検診受診率の達成を目指して活動する。
2. 平成23年度末までの目標および詳細
対象企業 : 富士フイルム(株),富士フイルムメディカル(株)
受診率 |
目標 |
対象者 |
対象人数(人) |
肺がん |
90%以上 |
全従業員 |
約9,500 |
胃がん |
〃 |
35歳および40歳以上 |
約5,300 |
大腸がん |
〃 |
〃 |
約5,300 |
乳がん |
〃 |
30歳以上の女性 |
約1,200 |
子宮がん |
50%以上 |
〃 |
約1,200 |
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