GEヘルスケアグループの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン(株)は,複数のユーザーが場所や端末を問わずネットワーク経由で同時に撮影画像の3次元(3D)処理が可能な汎用画像診断装置ワークステーション「AWサーバー(エーダブリュ・サーバー)」を,全国の大・中規模病院を主対象に本格発売する。
AWサーバーは,CTやMRなどで撮影した画像の3D処理などを担う「Advantage Workstation(AW:アドバンテージワークステーション)」の,同社初となるサーバー型製品。
同製品を医療機関内に設置することで,院内の各診療科のパソコンや外出先など場所や端末を問わず,セキュリティーを確保した上で,ネットワーク経由で3D処理の操作指示が可能となる。サーバー上で画像を処理し,操作端末側には3D処理ソフトウェアのインストールの必要がない「シンクライアント」方式を採用しており,端末側の能力に依存せず高速画像処理が可能なほか,データも端末に残らないため高い安全性を誇る。AWサーバーは,同時処理可能な断層像数が3万枚と1万6,000枚の2種類用意しており,ともに接続するユーザー数の制限はない。
AWサーバー概念図
同社では,1994年に画像処理用ワークステーション「Advantage Workstation」を発売以来,簡便で効率的,かつ高精度の処理を目指して,同ワークステーションの改良を重ねてきた。特に,選択した血管の追加・削除を簡単な操作で可能な「AutoSelect (オートセレクト)」や,自動で骨を除いて表示したり,心臓を解析したりする機能は数多くの医療機関から高い評価を得ている。その結果,現在のAdvantage Workstationの導入数は2,000件に達し,国内の3D処理ワークステーション市場ではシェアトップである。
画像診断装置の発展とともに,臨床現場における3Dの役割も大きく変化し,現在では患者説明用だけではなく,治療方針の決定,術前シミュレーションから検査前の予備撮影,術後の経過観察まで多岐にわたる役割を担うようになってきた。
このように3Dの役割が変化する中,高い価値を誇るAdvantage Workstationの機能を,院内外の場所を問わず利用したいという医療機関のニーズに応える製品として,今回AWサーバーを開発した。
同社は,今回発売するAWサーバーを,全国の大・中規模病院の新規導入や据置型ワークステーションからの買い替えを主対象に販売する。 |