ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカル カンパニー(以下,JJKK)は,アストラゼネカ(株)と,消化器内視鏡検査及びポリープ切除術(以下,消化器内視鏡)実施時における鎮静システムの日本導入に向けて,このほど,共同開発契約を締結した。この契約により,同社は開発中の新しいコンピューター支援下個別鎮静システム(以下,CAPS)の承認取得を,アストラゼネカはすでに販売している全身麻酔・鎮静用剤「1%ディプリバン」(一般名:プロポフォール)の消化器内視鏡実施時におけるCAPS使用下での鎮静での効能追加の承認取得を,目指す事になる。
本邦において胃がんと大腸がんの年間死亡者数は10万人におよび,がんによる全死亡者数の3分の1を占める。これらのがんを早期に発見・治療することで,より多くの患者さんの救命が可能になる。消化器内視鏡検査は,がんの早期発見に有益であるとされ,スクリーニング法として一般化しており,年間1,000万例以上の検査が行われている。最近では欧米と同様に,日本でも不安を和らげた苦痛の少ない消化器内視鏡に対する患者さんのニーズが高まりつつある。しかしながら, 現在日本では消化器内視鏡実施時の鎮静の承認を取得している薬剤がなく,患者さんの不安や苦痛のより少ない,安全かつ速やかな回復が得られる鎮静法が求められている。
CAPSは,患者視点に立って開発された製品であり,日本の患者さんにとって,さらに消化器内視鏡を受診しやすい環境の整備に貢献できると同社は考えている。本契約により,同社は,長年にわたりディプリバンの経験をもつアストラゼネカと,新しい鎮静システムの開発を共同で進めることが可能になった。 |