東芝メディカルシステムズ(株)は,世界最大クラスの開口径71cm Open Bore,3テスラMRIシステム「Vantage Titan 3T(バンテージ・タイタン・スリーティー)」,1.5テスラMRIシステム「Vantage Titan(バンテージ・タイタン)」の2機種を4月より販売開始,MRIシステムのラインアップを拡充する。
●主な特長
新製品の「Vantage Titanシリーズ」では,検査空間を従来比1.3倍(面積)に広げ,開口径を71cmとした。従来,検査が困難であった体の大きな方や腰の曲がった方,仰向け姿勢の困難な方など様々な患者さんの検査が可能となる。また,東芝独自の技術である静音化機構Pianissimo も搭載。
臨床面においては,造影剤を用いない非造影MRA検査によって,負担の少ない血管の検査が可能。また,マルチチャネルコイルを接続できるAtlas SPEEDER 回路の搭載により,画質をキープしながら広領域の撮像を実現することで,検査スループットを大幅にアップし,MRIの稼働効率を向上,患者さんの待ち時間も低減させることができる。
●「Vantage Titan」の新技術
・Slim Gradient(スリム・グラディエント)コイル
性能を落とすことなく広い検査空間を提供。従来,検査空間の拡大は臨床性能に影響するマグネットの広口径化によるものであった。「Vantage Titan」ではマグネットは従来のままとし,その他の部分をスリム化すること(Slim Gradientコイルの開発・搭載)で開口径71cm Open Boreを実現し,開放感と高い臨床性能の両立を可能とした。
●「Vantage Titan 3T」の新技術
・Super Slim Gradient(スーパー・スリム・グラディエント)コイル
3テスラMRI用のマグネットを広口径化することなく,その他の部分をスリム化(Super Slim Gradientコイルの開発・搭載)することにより「Vantage Titan」と同じ開口径71cm Open Boreを実現。3テスラMRIにおいても,開放感と高い臨床性能の両立を可能とした。
・Conform(コンフォーム)
3テスラMRI特有の磁場均一性,RF均一性の問題を解決する新しい技術「Conform」を搭載。RF送信にはMulti-Phase Transmission(マルチフェーズ・トランスミッション)を搭載した。RFパルスの位相と振幅を制御することにより,均一なRF送信を可能とした。また,磁場均一性に関しては,円柱状に均一性を確保し,広範囲に高い均一性を実現。これらの技術の搭載により,高画質な画像を得られるばかりでなく,高磁場で非常に難しいとされていた,躯幹部の検査や非造影MRAの描出も可能とした。これらの技術により,3テスラMRIによるルーチン検査を実施できる。 |