(株)フィリップスエレクトロニクス ジャパン(以下 フィリップス)は2006年末に最初のAchieva(アチーバ)3.0Tを国内に導入し,2008年6月に50台目を納入した。3T MRIは昨年末,合計で197台(自治体病院共済会調べ)となり,その内,同社のAchieva 3.0Tは82台で42%を占めるに至った。今年に入り4月には95台を納入し,受注済み分の据付より年内にAchieva 3.0Tの設置が100台を突破する予定であることを発表した。100台目の顧客は和歌山南放射線クリニック。最新のMultiTransmit技術を標準搭載した最高機種のAchieva 3.0T TXを今夏に納品予定である。
●Achieva 3.0Tの特長
画質の良さ
- 頭部における3.0Tでの画質の良さはもとより,従来の3T MRIでは腹部の撮影には重さ3kg程度の誘電パッド(水枕のようなもの)をお腹に載せないとできなかったが,RF-Smartと言う技術によりそれを不要とし,患者さんの肉体的,精神的な負担を軽減して腹部の撮影を容易にしている。
設置の容易さ
- 独自開発の同社製の超電導磁石により,同社の1.5T MRI 装置(Achieva 1.5T)と全く同じ大きさで,重さは当初は他社の磁石の半分しかなかった。漏洩磁場もアクティブシールドで1.5T並みに小さく抑え込んでいる。現在でも同社の超電導磁石は他社に比べ少なくとも三割近く軽く,液体ヘリウムの蒸発を実質ゼロとしている。
最新技術の導入による装置性能の維持
- 国内ではJIRAの調査でMRIは平均で10年以上使用されている。今後,開発される新技術を,オプションを追加して導入できるように設計を行っている。
- 昨年末よりAchieva 3.0Tに最新のマルチトランスミット技術を導入し,患者毎に最適なラジオ波を照射し,従来,3.0T MRIでは不得手と考えられていた腹部,乳腺等で画像の均一性,コントラストを改善しその上撮影時間を短縮すると言う画期的な技術を製品化し販売を開始している。この技術も現在,国内で稼働しているすべてのAchieva 3.0Tに追加のオプションである。
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