「いずも医療カード利用推進コンソーシアム」(構成団体:社団法人出雲医師会,島根県立中央病院,出雲市,富士通(株),(株)テクノプロジェクト)では,3月中旬より自宅からの診療情報(検査・処方)の照会・健康診断情報照会・外来診療予約,年金情報の閲覧,医療機関では保険資格の確認等を目的とした社会保障カード(仮称)実証事業を開始している。
「いずも医療カード利用推進コンソーシアム」では,カードの名称を「いずも医療カード」とし,実証事業参加者へのカード配布を行う。コンソーシアム関係には3月中旬から配布し,一般利用者向けには参加医療機関を通じ5月中旬から配布する。
本実証事業は,厚生労働省の「社会保障カード(仮称)の制度設計に向けた検討のための実証事業」である。社会保障制度における自らの情報の可視化・透明化,および住民本人が効率的にきめ細かなサービスを受けられることを目的としており,全国で「いずも医療カード利用推進コンソーシアム」を含む7か所が採択されている。
富士通が構築した「社会保障情報基盤システム」とは, 「社会保障情報基盤システム」は,社会保障カード(仮称)の実証事業のベースとなるシステムで,いずも医療カード(ICカード)によるPKI認証,SOA基盤技術,ID連携技術,ディスカバリー技術などを組み合わせ,同社が開発した。
●富士通が構築した「社会保障情報基盤システム」の概要
「社会保障情報基盤システム」の機能
一般利用者向け
・利用者自身の診療情報(検査・処方)や健康診断情報のWeb照会
・外来診療Web予約
・年金情報のWeb閲覧
診療機関向け
・被保険者の保険資格のWeb確認
・患者の診療情報(検査・処方)や健康診断情報のWeb照会
「社会保障情報基盤システム」の特長
「社会保障情報基盤システム」のイメージ
- いずも医療カード(ICカード)を使用し,自宅・医療機関からの利用者の厳格な本人認証を実現する。また医療機関において,患者(利用者)がICカードを提示することにより健康保険資格のオンラインでの即時確認も可能。
- 医療保険者,医療機関,年金保険者など,複数の情報保有機関における情報閲覧・手続きのワンストップサービスを実現するために,「マイポータル」サイトを提供。本サイトから外来診療予約,診療情報の照会,年金情報の閲覧などができる。
- 利用者がサービスを利用する際に必要となる,病院や診療所が保有する「診療・健診情報」,市町村(国民健康保険)などの医療保険者が保有する「保険資格情報」,日本年金機構が保有する「年金情報」は,プライバシーの侵害等への不安を解消するために情報を一元管理せずに,中継データベースを介して各情報を参照する。中継データベースには利用者のICカード番号と紐づけた各医療機関の診療券番号,被保険者記号番号,基礎年金番号だけが格納されており,これらの詳細情報は,その都度,医療機関や医療保険者が保有するそれぞれのデータベースから,関連情報を取得することで,利用者に情報を提供している。
- 中継データベースから,医療機関や医療保険者,年金保険者が保有するデータベースを参照する際は,「バックオフィス連携」機能による安全な情報連携を実現。
●実証サービス期間
2010年3月23日(火曜日)〜2010年7月30日(金曜日)
いずも医療カード配付時期
2010年3月中旬〜 :コンソーシアム関係
2010年5月中旬〜:出雲地区住民
●サービス内容
- 自宅から診療情報(検査・処方)や健康診断情報の照会(参加医療機関の情報のみ)
- 自宅からの外来診療予約(参加医療機関の一部で可能)
- 自宅から年金情報の閲覧(今回の実証事業では厚生労働省提供の5パターン例となり実際の情報を閲覧することはできない)
- 参加医療機関における被保険者のオンライン保険資格確認
- 参加医療機関における診療情報(検査・処方)や健康診断情報の照会
●参加コンソーシアムの各役割
- 社団法人出雲医師会:コンソーシアム代表,医療機関の実証フィールド提供
- 島根県立中央病院:医療機関の実証フィールド提供
- 出雲市:出雲市住民向け事業アナウンス,出雲市職員がカードの利用者として参加
- 富士通(株):認証システム,中継データベース,バックオフィス連携などの開発,株式会社島根富士通従業員がカードの利用者として参加
- (株)テクノプロジェクト:システム面の全体構築管理,アプリケーションなどの開発,地元グループ会社を含めカードの利用者として参加
[厚生労働省の採択結果のホームページ]
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0909-1.html
[「いずも医療カード実証事業」公式ホームページ(2010年3月31日(水曜日)よりインターネット公開予定)]
http://www.izumo-medcard.jp/ |