(株)ナナオは,デジタルマンモグラフィ表示モニター「EIZO RadiForce GX1030」(30型モノクロ液晶モニター)を2010年9月30日より発売する。
デジタルマンモグラフィは,一枚毎の撮影画像のサイズが大きいことに加え,現在と過去画像の比較表示など,同時表示させる画像の情報量の多さから,臨床現場では500万画素の高精細モニターを2台並べて運用している。今回発表の「RadiForceGX1030」は,高解像度4096×2560の30インチ大型ワイドパネルを搭載し1,000万画素(10メガピクセル)の情報を一画面に表示できるため,モニター2台から1台への置き換えを実現する。マルチモニター使用環境と比較すると,パネル間の色調合わせが不要など画質の維持管理の簡易化や,ベゼルレスになるため作業効率の向上が期待できる。
マンモグラフィの精度管理について検討し,教育,基準策定などを行っているNPO法人マンモグラフイ検診精度管理中央委員会により発行された「デジタルマンモグラフィ品質管理マニュアル」に記述されているように,臨床ではマンモグラフィに関わる装置の精度管理は非常に重要と考えられている。モニターも導入時の高性能を維持し常に安定した画像表示が求められることから,「RadiForce GX1030」には内蔵フロントセンサーを搭載。最小限の作業で画質を維持できるため,本来の業務の効率向上,さらに品質管理業務の負荷およびコスト軽減が見込める。なお,高精細,高密度,多階調,輝度均一性,DICOM Part 14準拠などの高性能は,現行のデジタルマンモグラフィ表示モニターを踏襲する。
●主な特長
高解像度10メガピクセル対応の大型ワイド画面
10メガピクセルの高解像度4096×2560,上下左右の視野角170°に対応した30インチのワイドフォーマット液晶パネル搭載。5メガピクセルモニター2台分となる1,000万画素の情報量を一画面に表示可能。マルチモニター使用と比較すると,パネル間の色調の違いを調整する手間が省け画質の維持管理が容易になり,また,モニター間の額縁が存在しないため視認性が高まり作業効率の向上,視線移動の最小化によるストレス軽減が期待できる。
最小画素サイズ0.158mmで高密度・高精細な画像表示
画素一つひとつのサイズは0.158mm。当社の医用画像表示モニターでは最小画素であり,粒状性に優れた高密度,高精細な画像表示を実現する
10bit多階調同時表示により淡い陰影の再現性が向上
8,185階調の豊富なルックアップテーブルから1,024階調を選択,表示する10bit多階調同時表示を実現。微妙な濃度差の識別が要求されるデジタルマンモグラフィの再現性が向上する。
DICOM Part 14準拠で医用画像を忠実に再現
階調特性がDICOM Part 14に準拠するように工場で1台1台調整し出荷。DICOMPart 14 準拠により,モニターによって見え方が異なることなく,医用画像を忠実に再現できる。
内蔵フロントセンサーでDICOM Part 14準拠のキャリブレーションを実現
ベゼル部に内蔵のフロントセンサーは,取り付け取り外しの時間と手間をかけず,さらにタスク実行中は表示画面を妨げることなく,輝度や階調の測定,DICOM Part14準拠のキャリブレーションを実現。本来の業務の効率向上に加えモニター品質管理業務の負荷軽減とコスト削減が見込める。
●その他の特長
・周囲温度や時間経過による輝度変化を自動補正し常に安定した画像を提供する調光機能
・輝度均一性を向上させるDigital Uniformity Equalizer(DUE)機能
・表示する画像に適した輝度や階調に調整した表示モードが選べるCAL Switch 機能
・JESRA X-0093(管理グレード1)の受入試験を製造工程で実施し出荷試験報告書として同梱
・EN60601-1やUL60601-1 など各種医療規格や安全/EMC規格対応
・安心と信頼の長期5 年間保証
なお,同社はITEM 2010にて,今回発表製品の表示デモンストレーション,説明を行う。 |