シーメンス旭メディテック(株)(以下シーメンス)は,2D, 3D, 4Dの臨床画像を自動で迅速に表示する新世代の画像解析処理システム“syngo.via”(シンゴ・ビア)および同システムをベースとする新PACSシステム“syngo.plaza”(シンゴ・プラザ)を今春より発売開始する。両製品は,4月9日から11日にパシフィコ横浜で開催される国際医用総合画像展にて,正式に日本市場へ紹介される。
近年,医療機関で撮影されるCTやMRI等の画像がフィルムレス化してきた利点がある一方で,各撮影装置の高性能化による画像データの膨大化,それに伴う転送時間や処理の煩雑さなどを解決するための新たなニーズが顕在化している。シーメンスはこれらのニーズに応えるべく約10年ぶりにGUI(Graphic User Interface)のプラットフォームの刷新を行ない,これからの10年間を見据えた全く新しいコンセプトの画像解析処理システムを開発した。今後,画像撮影装置と同様,シーメンスが注力する製品の一つとして位置づけ,日本の画像解析処理システム市場でのシェア拡大を目指す。
syngo.viaは,モダリティの急速な性能向上によって大量生成されるようになった画像データを自動的に処理し,臨床的に優位性のあるデータを表示する,新世代の画像解析処理システム。従来から,画像診断のワークフローにおける基本構成は,1)検査として患者様を撮影し,画像を作成するモダリティ(CT,MRI, PET等の画像診断機器),2)その画像を管理するPACS,3)解析画像等を作成するポストプロセシングシステムの3つのカテゴリから成り立ってきた。syngo.viaはそれらのいずれにも属さない4番目のカテゴリを切り拓くことになる最初の製品である。
たとえば心臓の3D画像の場合,従来では臓器の観察の邪魔になる骨や血液の塊まりの削除や血管抽出などに多くの時間と労力を必要としていた。syngo.viaは,これらの作業をワンクリックで読影準備が可能な状態にする。また,従来は放射線科部門向けに生成されていた画像データが,各診療科の外来にある端末でも自由に利用できるようになるため,医師から病状や治療方針等の説明を受ける際にも,3D画像等を使った表示で理解しやすくなる。さらに,MRI,CT,PET・CTなどの画像データをクロスモダリティの概念で一元管理し,各診療科との情報共有を可能にすることで,院内全体における診断の効率および質の向上に貢献する。また,遠隔医療や地域医療連携などへの展開も視野に入れている。
●syngo.viaの3つのベネフィット
(1) 自動による最適な画像処理
検査種別ごとに最適な画像処理を自動的に行なうとともに,症例に応じたレイアウトや,画像の並び替えなどの機能を用いて表示。これにより,読影のために必要な数々の人的プロセスを省略できる。
(2) 既存インフラを用いてアクセス可能に
クライアント端末への負荷の少ないClient Server Techonologyにより,病院の既存インフラや端末から,各モダリティの画像情報にアクセスすることが可能となる。
(3) 既存のPACSとのシステムインテグレーション
PACSやHIS/RISとの連携機能により,院内の既存端末に相乗りして,機能を使用することができる。また,同社のPACS“syngo.plaza”と併用することで,ゼロクリックインテグレーションが可能となる。
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