シーメンス旭メディテック(株)(以下シーメンス)は,画質の向上と,最大60%の被ばく線量の低減を可能としたSOMATOM Definition AS IRIS(ゾマトム ディフィニション エーエス アイリス)の販売を開始した。
SOMATOM Definition AS IRISは,多様化する医療現場のニーズに応えるAdaptiveテクノロジーを搭載したSOMATOM Definition ASシリーズに,逐次近似法に属した反復画像再構成法であるIRIS(Iterative Reconstruction in Image Space)を搭載した64スライスCT装置の最上位機種である。
●主な特長
マルチスライスCTの新しい評価基準−「低被ばく」という性能
SOMATOM Definition AS IRISは,逐次近似法に属した反復画像再構成法であるIRIS(Iterative Reconstruction in Image Space)を搭載することにより,少ない線量であっても診断に最適な画像を取得する事ができる。この結果,最大60%の被ばく線量低減が可能となる。
2008年に日本に導入したSOMATOM Definition ASシリーズは,高いX線検出能力を有する検出器素子であるUFC(Ultra Fast Ceramic)検出器,被ばくを増大することなく高精細データの収集を可能としたz-Sharp Technologyにより,空間分解能の向上とアーチファクトの低減を実現させてきた。また,Adaptive Dose Shieldといったシーメンス独自の線量防護機構により,スパイラルスキャン時に発生する不要な放射線被ばくを完全に遮断するなど,CT装置のリーディングカンパニーとして,継続的な「低被ばく」技術の向上に努めている。
画質の向上
さらにIRISは,高い空間分解能を維持したままCT値を変動させることなく画像ノイズの除去が可能。このシーメンスが開発した新しい画像再構成法は,大幅な画質の向上と画像再構成時間の短縮を実現している。IRISでは,初回の生データ再構成プロセス時に作成されるマスター画像に対して,反復補正を連続的に実行することによって,従来の理論的逐次近似法の欠点である再構成時間の長さを克服している。その結果,例えば,石灰化病変のブルーミングアーチファクトの低減等が可能となり,画質の大幅な向上を可能とした。
多様な臨床ニーズに適応するAdaptiveテクノロジー搭載
CT装置に対する多様な臨床ニーズに応えるため,SOMATOM Definition ASシリーズはAdaptiveテクノロジーと呼ばれるソリューションを搭載している。検出器サイズに依存することなく広範囲の4次元データを収集する「Adaptive 4D Spiral」,スパイラルスキャン時に発生する不要な放射線被ばくを完全に遮断する「Adaptive Dose Shield」など,これらAdaptiveテクノロジーを搭載したシーメンスのCTは医療現場が求める多様な臨床ニーズに適応(Adapt)する。 |