横河電機(株)は,4月1日付で同社の医療情報部門を分社し,新会社「横河医療ソリューションズ株式会社」を設立することを決定した。 また,同日付で横河フィールドエンジニアリングサービス(株)から医療情報システムに関わる保守サービス部門を新会社に事業譲渡する。これにより,新会社は医療情報システムに関する製品開発,製作,販売,保守サービスまで一貫して提供できる体制を整える。横河医療ソリューションズは,医療情報システム専業会社として医療情報ビジネスの拡大を目指す。
横河電機は,計測・制御・情報の分野で培ってきた技術を活かせる新たな事業分野への展開の一環として,1993年に医療情報システム分野に参入した。当時,医療分野は電子化への移行の初期であり,いち早く放射線科向けフィルムレス医用画像情報システムや人間ドック・検診システムを投入したことで,横河電機は大きなシェアを獲得した。2009年度の見通しでは,売上高50億円の規模まで成長してきた。しかし,医療分野における電子化が進み,医療情報システムの市場が急速に拡大してきたことで,近年は新規参入が相次ぎ,企業間の競争も激しくなっている。このような状況の中で,今後の医療情報システム市場では,ユーザの視点に立ったソリューションを迅速に開発するとともに,システム開発からアフターサービスまでをトータルに提供することが,競合との差別化において重要となる。そこで,同社は,将来にわたって医療情報システムビジネスを発展させていくためには,同部門を分社独立して意思決定の速度を速めるとともに,サービス部門を統合することでYOKOGAWAの強みであるきめ細やかな顧客対応と優れたシステムインテグレーション能力を生かせる小回りのきく体制を確立することが必要と判断した。
新設する横河医療ソリューションズは,YOKOGAWAグループの医療情報システム専門集団としてビジネスをさらに拡大していく。
●新会社の概要
会社名:横河医療ソリューションズ株式会社
本社所在地:東京都武蔵野市中町2-9-32(横河電機内)
代表者:石河 正弘(いしかわ まさひろ)
資本金:9000万円(横河電機100%出資)
事業内容:医療機関向けの画像情報システム,病院情報システム,電子カルテシステムの開発,製作,販売,アフターサービスに関する事業
従業員数:約110名(横河電機および横河フィールドエンジニアリングサービスから出向)
事業目標:2010年度 売上高 50億円
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