(株)日立メディコは,デジタル超音波診断装置「HI VISION Avius」(ハイビジョンアビアス)(以下「Avius」)を発売する。
「Avius」は,超音波診断装置「HI VISION Preirus」(ハイビジョンプレイラス)(以下「Preirus」)のシリーズ製品として開発した。最新のデジタル技術を搭載し,高精度な超音波ビーム形成,高度な画像処理を実現している。特に,最新の第3世代ティッシュハーモニック機能(HdTHI)*1 やアダプティブイメージング機能(HI REZ)*2 などの高画質化機能をコンパクトに集約した。さらに,組織の硬さを画像化するReal-time Tissue Elastography(以下「エラスト機能」)も搭載している。
●主な特長
(1) 高画質化技術の搭載
「Avius」は高画質化を追求した。超音波診断装置では,超音波のセンサである探触子とデジタル信号処理回路が高画質化の決め手となっている。「Avius」は上位機種で採用されている高感度広帯域探触子や単結晶探触子をサポート。また,最新のデジタル技術を駆使し,超音波診断装置に特化したデジタル信号処理回路Ultra BE(Ultrasound Broadband Engine)を搭載しており,高精度な超音波ビーム形成や高度な画像処理を実現している。
(2) Real-time Tissue Elastography (エラスト機能)の搭載
エラスト機能は,組織の硬さの違いを画像化する技術で,日立メディコが世界に先駆けて製品化した。当初,乳腺領域で研究が開始され,現在では日常検査でも使用される様になってきた。今後,エラスト機能の普及により,マンモグラフィ検査と併せて乳癌検診の質の向上や病院の検査効率の向上,何よりも患者の負担軽減が期待されている。さらに,乳腺領域ばかりでなく,甲状腺,前立腺,肝臓,皮膚(メラノーマ),整形,膵臓などの領域でも盛んに研究が行われており,その有用性が報告されている。
*1:HdTHI (High definition dynamic Tissue Harmonic Imaging)
ハーモニック信号を広帯域化し,これまでほとんど利用できなかった低周波成分をプローブ帯域内にシフトし画像化。これにより,空間分解能と深部感度の向上が図られている。
*2:HI REZ (High Resolution Imaging)
超高速アルゴリズムを用いて,リアルタイムに数万回の空間画像処理を実施する高精細画像適応型フィルタ技術。超音波画像に特有なアーチファクトであるスペックルノイズを低減し,より明瞭に組織構造を表示し,コントラスト分解能を向上させる。
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