長崎医療センターは,電子カルテシステムを新たに富士通の「HOPE/EGMAIN-GX(ホープ・イージーメイン・ジー・エックス)」へ刷新し,本稼働を開始した。
長崎医療センターは,長崎県央から県南における基幹病院として広域医療に対応するため,「あじさいネットワーク」という独自の地域医療連携システムを2004年から導入・運用してきた。今回広域の医療拠点施設の機能をさらに拡充するために,性能面でも運用面でも効果が期待でき,かつ革新的な先進機能を搭載した次世代の電子カルテシステムを新たに導入し,再構築した。
長崎医療センターが,2004年に初めて導入したカスタマイズ型の富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-EX」は,院内のニーズに合わせるために多くのカスタマイズを行なえるというメリットがある反面,カスタマイズしたために運用コストが掛かってしまうことや,最新のバージョンのシステムへの切り替えができないといったデメリットや,カスタマイズした画面の展開時間が十数秒かかってしまうことがあるといった問題もあった。
そこで,導入運用コストを抑え,パッケージの新しいバージョンに切り替えができるよう,カスタマイズを行なわずにシステムを導入する方針とともに,地域連携強化を考え,「HOPE/EGMAIN-GX」を採用。これにより,電子カルテ画面の展開速度が10倍程度速くなり,医師がストレスなく使用できるようになったことから,今後,患者の待ち時間の短縮に向けた効果が期待される。また,パッケージ製品を導入されたことでトータルコストを抑えられた。
また,「HOPE/EGMAIN-GX」のマルチカルテビューア機能により,画像や薬の処方など複数の診療情報を閲覧する上で一覧性が劣るという電子カルテシステムの弱点をカバーすることができる上,医師の思考に沿った電子カルテシステムの画面表示が可能となった。
長崎医療センターは,県央から県南における病床数643床の基幹病院。離島が多い長崎県において,へき地医療に力を入れており,県内唯一のドクターヘリの年間出動件数は350件を超え,救急搬送は年に1万2000件と,県の救急医療の中心的役割を担っている。また,地域医療連携にはいち早く取り組み,大村市と長崎市が中心となって推進している,診療所の医師が基幹病院に紹介した患者さんの診療情報を,ネットワークを通じて参照できる「あじさいネットワーク」を導入・運用している。
【関連ホームページ】
http://segroup.fujitsu.com/medical/products/egmaingx/
(電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」紹介ページ)
http://www.hosp.go.jp/~nagasaki/
(長崎医療センターホームページ) |