富士フイルム(株)は,X線照射面側から光信号を読み取る,同社独自の間接変換方式FPDを搭載したデジタルX線画像診断装置「CALNEO」シリーズの新ラインアップとして,臥位撮影台に組み合わせ可能な「FUJIFILM DR CALNEO MT」(以下,「CALNEO MT」)を開発した。富士フイルムメディカル(株)が,「CALNEO MT」と専用の昇降型フローディング撮影台「SUD-F」」*1の販売を12月1日より開始する。
「CALNEO MT」は,「CALNEO」シリーズの特長である,同社独自の間接変換方式FPDと高度な画像処理技術“Image Intelligence”を搭載。少ないX線量でもシャープかつ高画質なX線画像を提供する。また,撮影後約3秒で画像表示し,スピーディーな画像確認ができるため,次の撮影への移行がスムーズに行える。撮影台「SUD-F」は,便利なセンターロック機構を搭載しているため,中心部の位置合わせが簡単にできる。
現在,病院のX線室の多くが,立位・臥位撮影の両方を行っている。「CALNEO MT」・「SUD-F」を組み合わせたものと立位タイプ「CALNEO U」は,立位・臥位撮影の相互切換を1秒以下で行えるため,立位・臥位の連続した撮影もストレスなく進めることができる。さらにFPDの動作を制御するキャビネットと画像処理を行う制御装置「Console Advance(コンソール アドバンス)」も共有できるため,省スペース化に貢献するとともに,撮影に最適なワークフローや共通の画像処理による高画質画像のもとで,X線検査を行うことができ,撮影業務の効率化が図れる。
今後,富士フイルムは,「CALNEO MT」を,さまざまなX線撮影台*2にも対応させていくことで,次世代スタンダードモデル「CALNEO」シリーズのラインアップ強化を図る。
*1 株式会社大林製作所が開発・製造した、「CALNEO MT」専用の臥位撮影台。
*2 今後、動作確認を行い、組み合わせ可能な撮影台を増やしていく予定。
●主な特長
(1) 世界初!新「ISS方式」による間接変換方式FPDを搭載
X線から変換された光信号を読み取るセンサーを,従来型のFPDとは反対側のX線照射面側に配置して,X線照射面側から光信号を読み取る「ISS方式」の間接変換方式FPDを搭載。光信号がセンサーに到達するまでの距離を短縮させて,拡散・減衰を抑えこみ,X線変換効率を大幅に向上させている。さらに,精密塗布技術や粒子形成技術によって,蛍光体層を従来よりも厚くし,異なるサイズの蛍光体粒子を最適に配置して高密度化を図ることで,少ないX線量でもシャープなX線画像を得ることができる。
FPDの素材には,性能安定性に優れたガドリニウムオキサイドサルファ(GoS)を採用。
撮影後約3秒で画像表示。スピーディーな画像確認ができ,次の撮影への移行がスムーズにできる。
(2) 独自の画像処理技術“Image Intelligence”搭載による高画質な診断画像を提供
画像間の濃度のばらつきを抑え安定した均一な画像に変換する「自動濃度補正機能」,空間周波数ごとに特性を調整することで診断目的に適したバランスの良いシャープで自然な強調画像を提供する「マルチ周波数処理」,ノイズ成分を大幅に抑制する「ノイズ抑制処理」など高度な画像処理機能を搭載。高いX線変換効率との相乗効果で,診断に最適な高画質画像を提供する。
(3) 「CALNEO U」との併設で,効率的な撮影と省スペース化を実現
立位・臥位撮影の相互切換が1秒以下で実現。立位・臥位の連続した撮影もストレスなく進めることができる。
FPDの動作を制御するキャビネットと画像処理を行う制御装置「Console Advance」を共有できるため,省スペース化が可能。さらに,撮影に最適なワークフローや共通の画像処理による高画質画像のもとで,X線検査を行うことができ,撮影業務の効率化が図れる。
また「Console Advance」は,「FCR」の制御装置としても兼用できるため,既設の「FCR」を最大限に活用したワークフローも提供することができる。 |