(株)日立メディコとアロカ(株)は,2006年4月28日に資本提携を伴う業務提携を行うことにつき合意し,これまで超音波診断装置及び探触子の共同開発を進めてきた。本年10月から業務提携の一環として日立メディコが開発したReal-time Tissue Elastography(以下「エラストグラフィ」)のアロカへの技術提供を開始する。
エラストグラフィとはリアルタイムに組織の硬さをカラーで画像化する画期的なアプリケーション技術であり,日立メディコが世界に先駆けて開発し2004年1月に製品化した。現在,日立メディコのエラストグラフィは世界の超音波診断装置市場における優位技術として非常に高い評価を受けている。
日立メディコはエラストグラフィの市場拡大を進めており,アロカに技術提供することによりエラストグラフィのグローバルスタンダードの地位を確立していく。
アロカは本年10月から,日立メディコのエラストグラフィを搭載したアロカ社製超音波診断装置を日本と一部の国において各国規格対応後販売開始する。
●エラストグラフィとは
病変の悪性度とその組織の硬さには相関があることが知られており,例えば,乳腺においては良性腫瘍より悪性腫瘍は2〜3倍程度硬いとの研究結果がある。硬さの違いが画像化できれば,良悪性鑑別ができるのではないかと期待され,世界中で研究されてきた。
エラストグラフィは,超音波探触子と呼ばれるセンサ部分を生体に接触させ,わずかに圧迫を繰り返すだけで,リアルタイムに組織の硬さをカラーで画像化する技術。探触子を押したときに生じる生体の歪みが,柔らかい部分では大きく,硬い部分では小さいという現象を利用している。
現在では乳腺領域だけでなく,甲状腺,前立腺,整形,膵臓などの領域にもエラストグラフィの臨床応用が広がり,さらに肝臓,皮膚を始めとする他領域への適用拡大が期待されている。
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