東芝メディカルシステムズ(株)は,上位機種であるAquilion の開発で培ってきた技術を導入した16列同時撮影マルチスライスCT「Activion (アクティビオン) 16」の新機能として,大腸がん検査の有用なツールとなる大腸解析ソフトをリリースした。また,大腸CT検査における腹臥位撮影用マットの販売も開始した。
●新機能の特長
・コロンビューイングソフトウェア (オプション)
大腸がん診断法として注目されるCT Colonography(CTC)の解析が専用ワークステーションを使用することなく,オンコンソール(CT装置本体のコンソール)で行える。
大腸領域を抽出したフライスルー*1 やフライスルーとMPR*2 のフュージョン画像,大腸を切り開いた360°展開画像(フィレビュー)と様々な表示が可能。表示画面より病変部位を速やかに把握するとともに,病変周辺部分を細かく観察することができる。
さらに2体位表示機能によって腹臥位,仰臥位それぞれの画像を同画面で比較しながら観察することも可能。体位によって形態の変わる病変の観察ができ,残渣と病変の識別をサポートする。観察後にはキー画像を添付したレポート出力が可能。
●腹臥位マット
CT Colonography(CTC)検査において,正確な診断を行うために大腸全体を不足無く拡張させることが重要となる。CTC検査では大腸内の残液,残便による盲点を排除するために腹臥位,仰臥位の2体位で撮影が行われるが,従来のマットでは腹臥位撮影時に,腹部が押されることにより大腸の拡張が十分に行えない場合があった。腹臥位マットは腹臥位撮影時においても腹圧による圧排を軽減することで,大腸の拡張不足や途絶を改善し大腸全体の形状を保った撮影を可能にする。
「Activion16」は,より高精細な画像を提供する0.5mm撮影,患者さんの息止め負担を軽減する16列同時収集が可能。さらに,高画質を維持しながら低線量撮影を実現する技術を用いることで,高精細画像の提供と患者さんの負担軽減を両立させる。また,簡単で素早い操作が可能なスキャンインターフェースの採用や簡便な3D画像構築ソフトウエアにより業務の効率化が実現でき,シングルコンソールの採用によるフレキシブルな設置環境を構築してCT検査全体のワークフロー改善を図ることができる。
外観は,両手で包み込むような優しい曲線を前面に配し,さらに青空をイメージした配色とすることで,検査の不安を軽減し,少しでも患者さんが安心して検査を受けられるようにデザインされている。
*1 フライスルー:仮想内視鏡画像
*2 MPR:multi planar reformationの略 多断面変換表示法 |