新製品・企業情報

 
その他  その他

ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会
日本初!
患者さん自らの経験を基に
25疾患を網羅した,
「患者と作る医学の教科書」発刊

●価格
2800円
●問い合わせ先
ファイザー(株)
企業広報部
TEL 03-5309-6085
http://www.pfizer.co.jp/

患者と作る医学の教科書

 様々な患者団体や障がい者団体などで構成される「ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会」(「VHO-net」:http://www.vho-net.org/ )は,ファイザー(株)の支援の下,「患者と作る医学の教科書プロジェクトチーム」とともに編著した「患者と作る医学の教科書」を,2009年8月に発刊した。

 近年,大学の医療者教育の場で「患者さんの声を聞きたい」というニーズが高まってきており,授業に患者さんを講師として招いている大学がある。同時に,患者側も「患者の声を医療従事者に聞いて欲しい」というニーズがある。また,これまでに医師などの医療者教育で使用されてきた医学教科書は,疾患を科学的に解説するものであり,患者さんの体験や思い,実際の症状に関する表現が十分でないため,患者さんが説明する言葉と医師が使う医学用語にギャップが生じ,診断や治療に影響を与えてしまう側面があると言われてきた。医療従事者,患者さんの双方のニーズを反映し,医療従事者が患者さんと良好なコミュニケーションを築く一助とすべく,「ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会」は,2006年から「患者と作る医学の教科書」の編集に取り組んできた。

 「患者と作る医学の教科書」には,各疾患の診断や治療の解説に加え,初診時の患者さんの声(患者さんの伝え方),診断時に医療従事者に気遣って欲しいこと,患者さんやご家族が抱える悩みなどが患者さんの視点で解説されている。「患者と作る医学の教科書」は,25もの多くの疾患について患者さんの経験を基に掲載されている点で,日本初の医学教科書と言える。

 「患者と作る医学の教科書」の編集に深く関わったた,患者さんと医師はそれぞれ次のように述べている。

増田 一世 氏 社団法人やどかりの里 常務理事
「ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO−net)は,難病や障がい等に関するさまざまな団体のリーダーの会です。歴史ある大きな団体も小さな団体も(現在所属団体は76団体)が,同じ土俵に立ち,共通の課題に取り組み,間もなく10年になります。患者中心の医療の実現のためには医学教育に患者自身の経験知を反映させたいと考えてきました。今回の『患者と作る医学の教科書』の出版化は,VHO−netのメンバーと医療関係者との連携のもとに実現したものです。患者の声を聴く力を持った医療者を増やしたい,自分たちが安心して,納得して受けられる医療を実現したい,今回の出版化はその第一歩です」

酒巻 哲夫 氏 群馬大学医学部付属病院 医療情報部教授
「本書は,多くの患者さん,ヘルスケア関連団体の方々と医療者が協働して作った初めての臨床系教科書です。医療を受けるものと,提供するもの,医学教育に携わるものとが同じテーブルについて教科書を作ることは画期的なことで,この編集作業を通じて相互の理解が少し深まったと思います。医学教育という点で双方が協力することで,『溝』を『希望』で埋められるのではないかと私たちは考えています。今後もこのプロジェクトを継続し,次の世代に継承していくつもりです。協力していただける方々が増えることで,第二第三の新たな視点からの臨床的教材を作れるのではないか。そして『患者さん中心の医療』への道のりがひらかれるのではないかと期待しています」

大木 里美 氏 中枢性尿崩症の会(CDIの会) 副代表兼関東支部長
「患者と医療関係者の協働作業により制作を進めてまいりました『患者と作る医学の教科書』がようやく完成いたしました。ずっと聞いてほしかったのです,私たち患者の生の声を。ずっと知ってほしかったのです,私たち患者の診察室以外の姿を。ページをめくった途端,患者の生の声がこの本から溢れるように聞こえてくることでしょう。この教科書の主役は“疾患”ではなく“患者”なのです。本書を医学教育の中で使用していただくことにより,患者中心のより良い医療の実現と,患者と医療関係者の間の認識のギャップを埋めるための一端を担うことができれば幸いです」

北村 聖 氏 東京大学医学教育国際協力センター教授
「患者と作る医学の教科書だから,医師や医療に対する不満や愚痴が多いと思わないでほしい。そんなことはほとんど書かれていません。体験しないとわからないことが多く書かれています。そしてそれは間違いのない真実です。体験した者だけがわかるつらさや不安が書かれた教科書です。私は学生時代,教師から『今の医学は教科書の中にあるが,未来の医学は患者の中にある』と教わりました。『真実は患者の中にある』といっても良いと思います。その意味で,この教科書は今の医学だけでなく,将来の医学についても書かれている教科書といえるかもしれません」

●「患者と作る医学の教科書」の概要
編著:ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会
出版社:株式会社 日総研出版
「患者と作る医学の教科書プロジェクトチーム」:
酒巻 哲夫(群馬大学医学部付属病院 医療情報部教授,医師)
岩本 ゆり(NPO法人 楽患ねっと 副理事長,看護師)
大木 里美(中枢性尿崩症の会(CDIの会)副代表兼関東支部長)
大竹 弘哲(公立七日市病院 神経内科医長,医師)
加藤 眞三(慶應義塾大学看護医療学部・医学部 教授,医師)
北村 聖(東京大学医学教育国際協力センター 教授,医師)
高畑 隆(埼玉県立大学保健医療福祉学部社会福祉学科 教授,PSW)
藤江 茂司(日本コンチネンス協会 事務局長)
松下 年子(埼玉医科大学保健医療学部看護学科 教授,看護師)
喜島智香子(ファイザー(株)コミュニティー・リレーション部担当課長,事務局)

●主な内容(25疾患)

・慢性頭痛 ・パーキンソン病
・1型糖尿病 ・中枢性尿崩症
・マルファン症候群 ・気管支ぜんそく
・変形性股関節症 ・統合失調症
・慢性腎不全 ・口唇口蓋裂
・腎性尿崩症 ・先端巨大症
・クローン病 ・心臓病
・肝臓病 ・認知症
・てんかん ・白血病
・乳がん ・HAM(HTLV-1関連脊髄症)
・シャルコー・マリー・トゥース病 ・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・プラダー・ウィリー症候群 ・神経因性膀胱におる溢流性尿失禁
・全身性エリテマトーデス  

演習問題:
・がん患者や重篤な病気の患者との会話
・医療者の正論」と命の尊さ
・患者や家族との溝はどこにあるか?
・患者が感じていることを読み取る
・問題解決を阻む要因はなにか ほか2題
ページ数:280
出版協力:ファイザー株式会社
発刊日:2009年8月15日
定価:2,800円