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エドワーズライフサイエンス
虚血性僧帽弁閉鎖不全症専用の人工弁輪
「IMR ETlogixリング」新発売
〜エチオロジー(病因)に基づいた
初めての人工弁輪〜

(2009/8/6)

●問い合わせ先
エドワーズライフサイエンス(株)
広報室
西山貴子
TEL 03-6894-0638
http://www.edwards.com/jp

IMR ETlogixリング

 エドワーズライフサイエンス(株)は,心臓弁膜症の病態の一つである虚血性僧帽弁閉鎖不全症(IMR)の治療に用いられる,僧帽弁専用の人工弁輪「IMR ETlogixリング」(読み方:アイエムアール イーティーロジックスリング)を8月1日に発売開始した。

 僧帽弁閉鎖不全症は,心臓の左心室と左心房を隔てる僧帽弁が十分に閉じず,左心室から左心房へ血液が逆流してしまう病気。中でも,心筋梗塞や心筋の虚血によって左心室が拡張し,それに伴い僧帽弁の一部が左心室側に引っ張られて変形して,弁がうまく閉じなくなる虚血性僧帽弁閉鎖不全症は,悪化すると心不全や死に至ることもある。

 心臓弁膜症の治療には,弁置換術と弁形成術という二つの治療法がある。弁置換術は,悪化した弁を,ウシの心膜などで作った人工弁に取り換える治療法。一方,弁形成術は患者自身の弁を生かし,心臓弁の周囲に人工の弁輪を縫い付けることで,弁を正常状態に戻るよう形成し,血液の逆流を止める治療法。


 「IMR ETlogixリング」は,心臓弁膜症の中でも特に,左右が非対称に変形してしまう虚血性僧帽弁閉鎖不全症の弁の形に合わせてデザインされた人工弁輪。このように病気の状態を考慮し,変形した弁に合わせてデザインされた人工弁輪としては世界で初めての製品である。

●主な特長

アシンメトリック(左右非対称)な形状
虚血性僧帽弁閉鎖不全症では,弁が左右非対称に変形する症例がみられる。「IMR ETlogixリング」は,特に変形の激しい部位に対応するために,左右非対称にデザインされている。

立体的なデザイン
虚血性僧帽弁閉鎖不全症に特有の僧帽弁の左心室側への落ち込みに合わせてデザインされている。強く左心室側に引っ張られることで起こる弁輪部へのストレスを軽減する為,部分的に左心室側に沈み込ませた立体的な構造になっている。そのため,人工弁輪が弁輪部によりフィットする。

チタン合金を使用した変形しにくい弁
IMR ETlogixリングはチタン合金が使用されたリジッド(硬い)タイプの人工弁輪なので,効果的な弁輪補正が行える。

 日本では弁形成術の数は年々増加している。日本胸部外科学会の統計資料によると,1996年に年間2,677例だった弁形成術数が10年後の2006年には7,098例に増加している。人工弁輪の場合,自己弁を温存することから,血液を固まりにくくするための長期的な抗凝固療法が不要であるなど,術後のQOLの向上が期待できる。最近は,可能な症例には弁形成術を行うことが多くなっている。