東芝メディカルシステムズ(株)は,4月に発売したAquilion 64 with Double Slice Technologyをさらに進化させ,世界標準をめざした新シリーズとして128スライス/回転を撮影可能なAquilion.CX Editionを7月1日より発売した。
Aquilion CX Editionでは,より低被ばく・高画質といった日常検査への対応や複雑で安全な造影検査など,複雑化する臨床ニーズに対し,この1台で解決する。次世代型CTとして注目が集まるエリアディテクターCT Aquilion ONE で培った画像再構成法ConeXactによる128スライスの画像作成の実現や,造影剤自動感知システム:Real Prep.の機能アップにより,質の高い検査を実現する。
特にConeXact は,焦点偏向によるS/Nを低下させることなく128スライス収集を可能にする次世代の再構成法。この手法から画像処理された高精細な3次元画像を検査・臨床の場に提供する。
●主な機能
■スキャン機能
Double Slice Technology*
Double Slice Technologyを実装したAquilion CX Editionでは,ヘリカルスキャンだけでなく,コンベンショナルスキャンにおいても。高精細な三次元データの作成が可能となった。従来の東芝マルチスライスCTで定評のあるIsotropicデータ(X-Y-Z 3軸で等方向性をもつ)に加え,このDouble Slice Technologyにより,様々な臨床検査において,空間分解能,密度分解能に優れた画像を可能にする。コンベンショナルスキャンでも体軸方向に倍密度(0.5mm→0.25mm)の情報を得ることが出来るため,分解能が向上し,ステントの開存状態やステント内膜増殖などより細かい血管の状態や走行,さらには微細な骨の形状までも鮮明に描出する。
*Double Slice Technologyは検出器から取得したボリュームデータを体軸方向に倍密度で再構成可能にする技術。たとえば0.5mm×64列でスキャンした場合,0.25mm間隔の画像が128スライス得られます。この画像再構成システムは,焦点偏向によるS/Nを低下させることなく128スライス収集を可能にし,画像1枚当たりのビュー数は従来のまま,高精細画像を提供する。
■画像処理臨床アプリケーション(オプション)
1.コロンビューングソフトウエア
近年注目されている大腸がん診断法であるCT Colonography(CTC)を強力にサポートするソフトウエアを開発した。CT画像を利用して,内壁を観察するフライスルー像とMPR画像のフュージョンにより,病変部の位置を的確に把握し,周辺部位も細かく観察できる。観察後はキー画像を添付したレポートを出力できるので,患者さんへのインフォームドコンセントに役立つ。
2.腹部臓器パフュージョン
新たな臨床研究用に腹部臓器パフュージョンを開発。これは腹部臓器の灌流情報をカラーマップで表示する。造影剤自動検知システム:Real Prep.との併用で造影効果を最大限に引き出すとともに,得られたデータから肝臓や腎臓など腹部臓器の解析アルゴリズムを用いて,より最適な解析結果が得られる。アキシャル画像とのFusion機能ではマップ内の任意の部位での数値計測もでき,視覚的にも理解しやすい表示が可能。 |