島津製作所は,子どもたちに人気のアニメ「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のデザインを装置全面に使用した小児用デジタル式回診用X線撮影装置を4月17日から発売した。
デジタル式回診用X線撮影装置は,X線撮影室に移動できない患者を病室やICU(集中治療室)などでX線撮影する装置であり,新製品は,可搬型のX線検出器(FPD)によって撮影3秒後には本体のモニタで画像確認ができる同社の「MobileDaRt Evolution(モバイルダート エボリューション)」の新ラインナップ。小児ICUでの保育器内の新生児の検査をはじめ,小児の検査を行う際のポジショニング(FPDの位置あわせ)がスムーズに行えるよう小型のFPDを搭載している。
本製品では大出力により速い撮影スピードを実現しており,被写体ブレなどに起因する再撮影を減らすなど,被ばく線量の低減や検査の効率化が期待できる。さらにポケモンのイラストを装置全面に使用することで,小児の検査時の不安や恐怖心を和らげ,よりスムーズな検査をバックアップする。同社は,「けがや病気に苦しむ子どもたちに元気な笑顔を」のコンセプトのもと,画像診断装置メーカーとして小児医療の一翼を担いたいと考え企画した。
なお,新製品の本体デザインは,従来からのオリジナルデザイン(2008年度グッドデザイン賞受賞)も選択可能。また,本製品の発売にともない,「MobileDaRt Evolution(モバイルダート エボリューション)」の従来品(大視野FPDタイプ)と,フィルムカセッテタイプの回診用X線撮影装置にもポケモンデザインを選択可能となった。
●主な特長
1. 小児の撮影に適したコンパクトなFPDを搭載
FPDのサイズを344(W)×380(H)×22.5(D)mm(大視野FPDタイプは491(W)×477(H)×23(D)mm)に,重さを2.7kg(大視野FPDタイプは4.8kg)にした。保育器内の新生児の検査をはじめ,小児を撮影する際,扱いやすく,ポジショニングがスムーズに行える。
2. 撮影3秒後に,本体モニタで画像確認が可能
撮影後,わずか3秒で本体の15インチ液晶モニタに画像を表示。その後の対応に必要な情報がすぐに得られ,迅速な処置も可能。
3. ブレの少ない鮮明な画像を提供
X線の最大出力が32kWで撮影スピードが速いため,撮影の際に静止が難しい新生児や乳児の撮影の場合にもブレの少ないシャープな画像が得られる。
4. 抜群の走行性で,快適な移動を実現
パワーアシスト制御で,ハンドルを軽く押せばスムーズに動き始める。方向転換も軽々行えるため,軽快に装置を移動させることができる。新静音モーターにより走行音を低減させているため,夜間でも静粛さを保ちながら回診業務が行える。また,院内走行中のトラブル回避のために,走行時に注意音を鳴らすことも可能。
5. スムーズな操作,高い利便性により,効率の良いX線撮影が可能
X線管を備えた最長1200mmの超ロングアームが広範囲をカバーし,保育器など高い位置でのX線撮影も無理なく行える。アームは自在に動かし,ぴたりと位置決めすることができる。ポジショニングをスムーズにする各種スイッチ,機能を備え,微妙な位置あわせも簡単に行える。
6. 検査に対する不安や恐怖心を減らして,スムーズな検査をバックアップ
装置全面にポケモンを使用することで,検査を受ける子どもの不安や恐怖心を少なくし,スムーズなポジショニングと撮影が期待できる。暴れたり,泣いてしまうことで検査ができない,画像が不鮮明になるなど,撮影時のトラブル回避が期待できる。
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