東芝メディカルシステムズ(株)は,マルチアクセスアンギオシステム「Infinix Celeve(インフィニックスセレブ)-i INFX-8000V」に,最大視野12インチ×12インチの新型の平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)を搭載した2方向同時観察が可能なバイプレーンシステムをラインナップする。また,すべてのラインナップに新画質コンセプト 「PureBrain」を搭載,インターベンションにおけるガイドワイヤー操作時など,術者の快適な検査環境はそのままに,従来装置の撮影画像に匹敵する透視画像を提供する。本バイプレーンシステムは4月17日からパシフィコ横浜で開催されるITEM2009で実機展示している。
●主な特長
(1) コンパクトな12インチ角FPD搭載バイプレーンシステム |
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最大視野12インチ角(29.8cm角)FPDを正面と側面に搭載することにより,脳血管撮影で必要な視野が得られる。また,小児循環器撮影でも8インチ角(19.8cm角)FPDより広い視野が得られるため,肺動脈造影などで効果を発揮する。 |
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外形サイズは約38cm角とコンパクトであるため,循環器撮影での深い角度付けが可能となり,更に正面/側面のそれぞれのFPDの物理的な干渉範囲を小さくすることが可能となる。脳動脈瘤など疾患を捉えるために必要な複雑な角度付けに対応する。 |
(2) マルチアクセスCアームにより全身の撮影が可能 |
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従来までのCアームの主回転,スライド回転,支柱回転の3軸回転機構に加え,床回転,検出器・X線絞り回転の2軸を追加した5軸回転機構を搭載。これにより標準ポジションだけでなく,長手ストローク200cmを実現した。下肢検査ポジションを容易に得ることができる。 |
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また,上肢からのカテーテル挿入にあわせ,横手にも180cmのストロークを有する。 |
(3) 東芝独自の画質コンセプト“PureBrain”により,診療を支援 |
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これまでのX線制御やデジタル画像処理を大幅に見直し,さらに同社特許技術 Super Noise Reduction Filter(SNRF)を追加したPureBrainにより,従来装置より高画質な透視・撮影像が得られる。SNRFは,1画素ごとに必要な信号と不要なノイズをリアルタイムに計算し,信号を抽出していく画像処理。ノイズ低減のため,X線量を増加することなく,更に過去画像を加算するリカーシブフィルタに代表される時間フィルタや周波数変換によるノイズ除去方式を用いないため,FPDの鮮鋭度をそのままに,残像のない透視・撮影像を提供する。インターベンションにおけるガイドワイヤー操作には,透視中のワイヤーの先端の動きがはっきりと見えることが重要。PureBrainは,画像中の量子ノイズを大幅に低減し,残像の少ない透視像をリアルタイムに提供する。 |
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撮影と同等の高画質な透視画像が提供することにより,より高度なインターベンションへ期待がもたれる。 |
(4) 地球環境への配慮 |
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環境調和型製品(環境に配慮した製品)の開発に取り組んでいる。環境負荷が少ない部材の選定や廃棄物削減の徹底など,設計段階から地球温暖化の防止,資源の有効活用,規制物質の削減を目指し,環境負荷の軽減を図る。 |
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