持田シーメンスメディカルシステム(株)は,乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナー ACUSON S2000 Automated Breast Volume Scanner (以下ABVS) の販売を5月から開始する。
今回開発されたACUSON S2000 ABVSは,約1分間の自動スキャンにより15.4cm×16.8cmの広範囲のボリュームデータを収集することができる。また,それぞれの乳房に 1〜3回ずつ施行することで乳房全体のボリュームデータの収集も可能である。簡便な操作により,検査時間を短縮でき,検査者に依存しない再現性の高い画像が得られる。また受診者1人に対する検査時間は10分弱となり,現在の超音波診断装置の検査時間より格段に短縮された。受診者にとっては上半身の衣服を脱いでいる時間を短くすることができ,抵抗感と負担感の軽減に貢献する。
ボリュームデータを収集することで,今までの超音波検査では困難であった外科医視線の断面(Coronal)も高精細な画像で提供し,腫瘍の浸潤等の診断にも貢献することが期待される。また,1回の検査の後,任意の断面を何度も構築することができ,複数の読影医のチェックを受けることができる。
データの再現性や信頼性を高め,受診者に優しい検査を実現した乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナーであり,従来の超音波検査の弱点を克服し,乳がんの早期発見や検診率の向上に貢献することが期待される。
4月17日からパシフィコ横浜で開催される国際医用画像総合展(ITEM2009)にて実機が展示される。 |