(株)日立メディコは,超電導型高磁場オープンMRI装置「OASIS」を4月中旬より日本国内で発売する。「OASIS」は昨年米国で販売を開始し順調に販売台数を伸ばしており,今年3月には欧州放射線学会(ECR)の出展を皮切りに欧州地域でも販売を開始した。
●主な特長
(1) 患者さんにやさしいオープンデザイン
「OASIS」のガントリーは,開放角度270度,開口部の高さは44cmと開放性に優れ,さらに柱の位置を左右で非対称に配置した。これにより,患者さんがテーブルに寝たときに感じる開放感を高めただけでなく,治療を伴う検査での患者さんへのアクセスが容易となった。また,患者さんに安心感を与えるラウンドフォルム・デザインを採用している。
永久磁石型オープンMRIでは難しかったコイルレスの撮像も高磁場MRI「OASIS」では可能となった。腰が曲がっている患者さんなどまっすぐに寝ることが困難な場合でも,楽な姿勢で検査を受けることができる。
(2) IVRにおけるMRIの応用
画像のガイドが必要とする穿刺・生検・低侵襲治療などの治療や検査ではこれまでX線装置,CT装置が使用されることがほとんどであった。しかし,MRI撮像は<1>X線被ばくがなく,<2>コントラスト分解能が高く,<3>任意方向の断面画像が得られるなどの特長があり,MRIガイド下での治療を行うニーズがあった。
超電導型高磁場オープンMRI装置「OASIS」はオープン型デザインであること,高磁場化による高速MRI撮像ができることで,治療につながるMRI検査(インターベンショナルMRI)が可能となった。
(3) 高機能アプリケーション
<1>MRスペクトロスコピー
医療診断に重要な特定の代謝物質の存在を明らかにすることが可能。その結果,体を傷つけずに診断を進めることができ,腫瘍の良悪性判別などへの活用が期待できる。
<2>RADAR (radial acquisition regime)
計測空間を放射状に走査することで,呼吸や血流などの動きによる画像の歪みを抑えることができる。
(4) Sentinelカスタマーサポートサービスに対応
Sentinelカスタマーサポートサービスは高速インターネット回線を使用して,装置の稼働状況を遠隔地で把握するリモートメンテナンスシステム。異常な情報などを検知した場合は,自動アラーム送信機能により迅速なメンテナンス対応が可能。 |