米国に本社を置く医療機器・体外診断用医薬品(IVD)の製造・販売企業などの日本法人62社が,4月1日に新しい業界団体「米国医療機器・IVD工業会(AMDD:American Medical Devices and Diagnostics Manufacturers Association)」を設立したとして,4月6日(月)に日本経団連会館(東京・千代田区)において記者説明会を行った。
米国医療機器企業の日本における業界活動は,これまで,在日米国商工会議所(ACCJ)内の委員会である医療機器・IVD小委員会を中心に行われてきた。これからは,独立団体であるAMDDを設立したことで,迅速で効率的な活動が可能となるとして,日本の薬事規制,医療保険価格改定等に関して積極的な提言を行っていくとしている。AMDDの主要な活動内容は,「世界標準の先進医療技術を日本の患者さんや医療の世界に届ける。」にあるとし,そのための解決すべき課題としてデバイスラグと保険償還価格改定があるとした。デバイスラグでは,米国と比べ承認までの期間に数年(約3年)のブランクがあり,製品の世代差が生じている。このため,日本の患者さんが先端医療技術の恩恵に浴さない事態にあるという(欧米で使用されている医療機器の半分が日本では使用できない)。保険償還価格の改定では,新しい算定ルールにより数十パーセントの価格引下げが行われており,AMDD会員企業の日本での活動に大きな障害となってきているし,トータルな医療費削減が可能な先進医療技術の価値が理解されていないことを問題点として挙げた。
初代AMDD会長のケイミン・ワング氏(エドワーズライフサイエンス株式会社代表取締役社長)は,「先進医療技術という,低侵襲あるいは無侵襲の体に優しい診断・治療技術により,患者さんの救命や生活の質(QOL) が向上し,医療費の削減が期待できるといった先進医療技術のもつ価値が,日本において十分に評価される環境をつくるための活動を積極的に行っていく」と述べた。
AMDDは今後,米国政府ならびに米国に本部のある先進医療技術工業会(AdvaMed)と密接な協力関係を維持しながら,日本政府,学会,関係業界団体とも協力しつつ,世界標準の先進医療技術を提供する活動を積極的に行っていく。
【理事会】
会長 |
ケイミン・ワング |
エドワーズライフサイエンス株式会社
代表取締役社長
コーポレートバイスプレジデント、
日本・インターコンチネンタル担当 |
副会長 |
デイビッド W. パウエル |
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
代表取締役社長 |
理事 |
池田 勲夫 |
アボット ジャパン株式会社
代表取締役会長兼社長 |
理事 |
ハービンダー・シン |
アボット バスキュラー ジャパン株式会社
プレジデント |
理事 |
児玉 順子 |
エイエムオー・ジャパン株式会社
開発本部ディレクター |
理事 |
モーリック・ナナバティ |
ボストン・サイエンティフィック
ジャパン株式会社
代表取締役社長 |
理事 |
スティーブ・プランケット |
GE横河メディカルシステム株式会社
事業推進本部本部長 |
理事 |
堀口 彰 |
株式会社メディコン
代表取締役社長 |
理事 |
島田 隆 |
日本メドトロニック株式会社
代表取締役社長 |
理事 |
足利 英幸 |
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
代表取締役社長 |
理事 |
小川 渉 |
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
代表取締役社長 兼 CEO |
理事 |
デリック・バドルス |
日本ストライカー株式会社
パブリック・アフェアーズ/ヘルスポリシー
マネジャー |
監査役 |
ポール・ボンド |
セント・ジュード・メディカル株式会社
代表取締役会長 |
顧問 |
松本 晃 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
前社長 |
顧問 |
野田 良 |
タイコ ヘルスケア ジャパン株式会社
代表取締役社長 |
(敬称略)
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