日本ヒューレット・パッカード(株)(以下日本HP)は,インテルの最新Xeon®プロセッサーを搭載するデスクトップ型ワークステーションの新ラインアップとして,「HP Z Workstationシリーズ」3機種を発表した。
新製品は,拡張性の高いパワフルなハイエンドモデル「HP Z800 Workstation(以下Z800)」,スリムな筐体を採用するミドルレンジモデル「HP Z600 Workstation(以下Z600)」,低価格・高機能なエントリーモデル「HP Z400 Workstation(以下Z400)」。
新製品は目的や予算に合わせてカスタマイズが可能なCTO(注文仕様生産)モデルとして,日本HPのオンラインストアHP Directplus,HP Directplusコールセンター,HP Directpartnerにて4月13日から受注を開始し,4月下旬以降出荷を開始する。なお,「Z400」のみ,BTO(固定仕様)モデルとして,上記に加え日本HP販売代理店でも取り扱う。
「HP Z Workstationシリーズ」は,メモリーコントローラーを内蔵する新世代のクアッドコアプロセッサー「インテル Xeon 5500番台(Z800/Z600),3500番台(Z400)」を搭載するワークステーションの新ブランド。 最新アーキテクチャーによる優れたパフォーマンスを長期間安定稼働するプラットフォームとして,内部構造をモジュラー化とケーブルレス化によって一新することで,優れたエアフローとメンテナンス性を備えた新筐体を生み出した。外装デザインには,サイドパネルにヘアライン仕上げのアルミ製一枚板を使用するなど,従来にはない,質感の高い仕上げが特長である。なお,これらの新しいデザインは,自動車・工業デザインのリーディングカンパニー「BMW Group DesignworksUSA」との協調により実現した。 製品ラインアップとして,CAD,研究開発,ソフトウェア開発,金融,医療,デジタルコンテンツ制作,石油/ガス探査など幅広い分野のプロフェッショナルの信頼に応える3機種のバリエーションを用意している。
●「HP Z Workstationシリーズ」の主な特長
・効率的なパーツ冷却と優れた静音性・メンテナンス性を実現する新設計の筐体(Z800/Z600)
「Z800」の筐体内部は,電源ユニット,プロセッサー+メモリー,HDD+拡張カードの収納スペースを,密閉性の高いカバーによって分断したモジュラーデザインを採用。この構造により,各パーツは他パーツの熱の影響を受けない効率的な冷却が可能となり,冷却ファンの騒音を大幅に低減した。
「Z800」と「Z600」の電源ユニット,HDD,メモリファンは差し込むだけで簡単に装着できるダイレクトコネクトを採用し,拡張カードや光学ドライブもドライバーなどの工具なしで着脱可能。また,各種ケーブル配線を極力マザーボードの背面に回すことにより,パーツ交換や増設時のケーブルの取り回しを減らすことができ,作業を容易にする。
・ヘアライン加工のアルミ製サイドパネルなど,持つ喜びを満たす精悍なデザイン
「HP Z Workstationシリーズ」は,カーボンブラックを基調としたフロントパネルと,ヘアライン加工を施したアルミ製サイドパネルで構成するシンプルでスタイリッシュな筐体デザインを採用。フロントパネルには筐体内部にフレッシュな風を送り込む大口径エアインテークと,USB2.0やオーディオ入出力,IEEE1394などのインタフェースを備える。サイドパネルは開閉が容易で,施錠することもできる。また,「Z800」と「Z600」の筐体上部にはビルトインハンドルを装備し,配置を変更する際に安全な移動が行える。またハンドルを筐体内部に収めたことで従来製品と同様,簡単にラックマウント可能になっている(ラックマウントには別売りのラックマウントキットが必要)。
・高効率電源ユニットと待機電力低減機能で,優れた環境性能を実現
「Z800」は「80 PLUS® SILVER」(電源効率88%),「Z600」と「Z400」は「80 PLUS BRONZE」(電源効率85%)の認証を受けた高効率な大容量電源ユニットを搭載し,従来2W程度だった待機電力を1W以下に低減させる「HP WattSaverテクノロジー」を全モデルに採用している。これらの技術により,デスクトップ型ワークステーションとしては業界初となるEPEAT® GOLD(米国電子製品環境アセスメントツール)を取得した。効果的な電力コスト削減が可能なだけでなく,CO2削減によって地球環境の保全にも貢献する。
●各モデルの主な特長
・拡張スロット7本,メモリスロット12本を搭載する拡張性の高いハイエンドモデル「Z800」
「Z800」はチップセットにインテル 5520を搭載し,インテル Xeonプロセッサー5500番台を2基搭載可能なハイエンドモデル。
DDR3メモリー対応スロットを12本搭載し,Serial ATAまたはSerial Attached SCSI対応のHDDを最大5台搭載可能。拡張スロットはPCI Express x16 2本,PCI Express x8 2本,PCI Express x4 2本,PCI 1本の計7本と拡張性の高い構成が特長。NVIDIA® Quadro® FX5800など高性能なグラフィックスカードを2枚使用したNVIDIA SLI®に対応し,3Dアニメーション,放送レベルの映像制作,医療,石油/ガス探査,大規模CAEなど,要求性能の高い分野のニーズに応える。
・デュアルソケットXeon対応のスリムなミドルレンジモデル「Z600」
「Z600」は,「Z800」と同様,インテルXeonプロセッサー5500番台を2基搭載可能な高い基本性能を備えながら,スリムな筐体を採用するミドルレンジモデル。
DDR3メモリー対応スロットを6本搭載し,拡張スロットはPCI Express x16 2本,PCI Express x4 2本,PCI 2本の計6本を搭載している。省スペース性に優れ,最大8画面のマルチディスプレイ環境が構築可能なので,金融トレーダーをはじめ,CAD,映像制作,処理などの用途に最適。
・シングルソケットXeonを搭載するエントリーモデル「Z400」
「Z400」は,シングルプロセッサー仕様のインテル Xeon 3500番台を搭載する,コストパフォーマンスの高いエントリーモデル。
DDR3メモリー対応スロットを4本搭載し,拡張スロットはPCI Express x16 2本,PCI Express x4 2本,PCI 2本の計6本を搭載している。ビデオ編集,デジタルフォトイメージデータ処理,デザイナー,設計,エンジニアなど幅広い用途に対応するワークステーションを低予算で導入できる。
●HP Z Workstationシリーズに関する製品情報
HP Z800 Workstation : ≫http://www.hp.com/jp/Z800
HP Z600 Workstation : ≫http://www.hp.com/jp/Z600
HP Z400 Workstation : ≫http://www.hp.com/jp/Z400
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