シーメンス旭メディテック(株)は,世界で初めて「息止めナシ・被ばく最小」を実現する,新型Dual Source CT(2管球搭載CT)として最上級機種の新製品 SOMATOM Definition Flash (ゾマトム デフィニション フラッシュ)の販売を3月より開始する。従来のCT装置と比較して2倍という撮影スピード,および1/8〜1/40という放射線被ばく線量の低減を実現。非常にわずかな放射線被ばく量で,超高速撮影スピードにおいて微小な解剖学的詳細を画像化することが可能になる。
SOMATOM Definition Flashは,1台のCT装置にX線管球−検出器システムを2対搭載するDual Source Flash Spiral技術によって,現在製造発売されている全てのCT装置と比較しても2倍以上の撮影速度である最速43 cm/秒の撮影スピード,75msec(0.075秒)の時間分解能を実現し,胸部全体のスキャンを,約0.6秒で撮影することが可能となる。この超高速撮影により,従来のCT検査のように,患者が撮影中に息を止める必要がなくなることから,特に高齢者や小児,救急患者など,あらゆる患者の撮影に非常に有効に対応できるほか,小児においては従来必要とされた鎮静剤が不要となる。また,身長170cmの患者の全身撮影も従来の半分以下の4秒以下で可能となり,これまで準備から診断まで10分以上かかっていた検査時間の大幅な短縮が期待できる為,一刻を争う救急医療現場での活用が期待できる。また,撮影時間の短縮により,放射線被ばく線量を,1mSv以下と大幅に低減させたことで,医療放射線被ばくに関する懸念事項を極力少なくすることに成功した。
SOMATOM Definition Flashは,近年さらに注目を集める心臓CT検査を,心臓検査の第一選択肢として決定づける飛躍的なパフォーマンスを実現した。心臓全体の画像を約0.25秒(心臓が1心拍に要する時間の1/4程度)で取得することが可能であり,不整脈や心拍の速い患者に対して,βブロッカーなど心拍を抑える薬を投与せずに,鮮明な心臓の画像を取得することが可能である。また,世界で初めて1mSv以下での心臓CT検査を可能にした。低侵襲,かつ限りなく少ない被ばくと瞬時の撮影により,心臓CT検査における患者のQOLを最大限に高め,心疾患の早期発見・早期予防に貢献する。
すでに昨年12月に米国シカゴで開催されたRSNA(北米放射線学会)で先行発表されており,日本国内においても多数の施設より問い合わせを受けている。日本では3月より本格的な販売活動を開始する。 |