シーメンス旭メディテック(株)は,高い精度でX線管球のトラブルを事前に検知する新たなカスタマーサービスプログラム「Guardian Program including TubeGuard」を2008年10月1日より販売開始した。
CT装置でX線を発生させるX線管球は,CT装置の主要部品だが,使用量に応じて交換が必要となる消耗部品でもある。このX線管球の交換が必要となった場合,交換には数時間の作業が必要であるため,その間はCT装置による検査を中断する必要があり,これは医療施設にとって検査効率を大きく低下させる問題のひとつであった。
これまで,CT装置メーカーは,X線管球の使用量やアーキングの発生といった兆候などの単純な基準を用い,X線管球の交換時期を推測してきたが,より高い精度で正確な交換時期を特定することは不可能であった。
これに対し,シーメンスの「Guardian Program including TubeGuard」は,ハイエンドCT装置SOMATOM Definition シリーズに搭載されるX線管球の状況を様々な指標からリアルタイムにモニタリングし,その情報をSRS(Siemens Remote Service)による通信回線を通じてサーバーに転送する。そして,そこから得られた多様な情報は即座に,そして多面的に解析され,従来にない高い精度でX線管球の交換時期を予測する。
このように,シーメンスの「Guardian Program including TubeGuard」は,これまで不可能とされてきたX線管球の正確な交換時期を特定し,CT検査の効率を低下させるリスクを大幅に低減させることを可能とした。
シーメンスは病院のワークフロー(業務効率)向上に貢献するため装置の設計段階から様々な取り組みを行っているが,今後,Proactive(未然に防ぐ)サービス商品の1つとして,「Guardian Program including TubeGuard」を提供する。
(備考) 従来より,装置トラブルの事前検知のサービスは,「Siemens GuardianProgram」という名称でアンギオ装置,CT,MRに提供されているが,今回のサービスはこれに新しい機能を加えたものとなる。 |