(株)ワコムと,システムインテグレータの(株)岡山情報処理センター(以下OEC)は,大規模歯科医療機関向け電子カルテシステムの拡販を目的として協業することを合意した。
OECが開発したシステムは,ワコムの液晶ペンタブレットを活用した歯科医療機関向け電子カルテシステム「TDM-NEO/UE」で,日本大学歯学部付属歯科病院(東京都千代田区)において2007年5月より,同病院で運用されている。このほど,これを他の歯科医療機関でも導入できるように汎用性を高めてパッケージ化し,全国の大学歯学部付属病院や歯科を備える総合病院などへの導入に向け,ワコムとOECが協力して営業活動を行う。なお,OECは,このシステムを11月14日から16日までパシフィコ横浜で開催される「日本デンタルショー 2008」に出展するとともに,同病院における運用事例を紹介する。
日本大学歯学部付属歯科病院は年間延べ22万人の患者を診察する大規模な医療機関で,最先端の歯科医療サービスを提供しながら,教育機関の付属病院として,質の高い歯科医師の育成にも貢献している。TDM-NEOの開発にあたっては,歯科診療で必要となる特有の機能を同病院で十分に検討し採用している。液晶ペンタブレットによる直感的な操作環境は,こうした大規模な歯科医療機関において,効率良く高品質な診療を行うために必要なこととして検討され,採用されたものである。TDM-NEOでは,液晶ペンタブレットを使用してシェーマに患部状態のイラストを直接書き込んだり,電子ペンでメニューを選択しながら,指示書や紹介状,薬の処方を素早く的確に作成することが可能になった。現在,同病院では,113台の液晶ペンタブレットを活用している。
●液晶ペンタブレットを使用したTDM-NEOの主な特長
- 電子ペンで紙を扱うように自然な入力操作ができるため,歯科医師が診察に集中することができる。
- 歯科特有のシェーマが数多く用意されており,イラストや文字を画面に直接書き加えることができるため,患部の状態を正確に描画でき正確な記録を残すことができる。
- 歯科医師と患者が診療記録を一緒に見ながらコミュニケーションを取る仕組みができるため,患者に対するインフォームド・コンセントを向上させることが期待できる。
- 電子ペンを使って,メニューを選択しながら紹介状や薬の処方を素早く作成できる。
- 他の部署に対する指示書に手書きのイラストを添付して,より分かりやすい説明を加えることができる。
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