*2008/10/24 米国アキュレイ・インコーポレイテッド発 リリース 翻訳
アキュレイ・インコーポレイテッドは,同社のロボット制御による放射線治療(ラジオ・サージェリー)システム,CyberKnife®の頭蓋外のがん治療実績が,本年6月末終了の2008会計年度において,全世界で前年比38%増を記録したことを発表した。特に今回は,前立腺がん治療実績が,全世界において前年比95%の伸びを記録した他,肺,肝臓,すい臓がん治療においても,それぞれ二桁の伸びを記録した。
サイバーナイフが,体中の非侵襲性がんを1ミリ以下の精度で狙うことが出来るという事実は,医療業界,及び患者の放射線治療に対する考え方を劇的に変えつつある。元来頭蓋内の使用を目的に設計されているため,放射線治療は長らく脳外科手術の代替としての位置付けであった。この良く知られた概念に基づき,アキュレイはロボット制御によるラジオ・サージェリーの利点の適用を,他の部位のがんにも始めた。これはサイバーナイフが世界に先駆けて,しかも唯一,米食品医薬品局により,全身のあらゆる部位に対する放射線治療を2001年に認可されてからのことである。
ハーバード大医学部の放射線腫瘍学科助教授であり,マサチューセッツ州ボストン市にあるベス・イスラエル病院の放射線腫瘍医,アーヴィン・D・カプラン医師(Irving D.Kaplan, M.D.)は以下のように述べている。
「サイバーナイフは,我々医師に対し,あらゆる種類のがん患者の治療を可能にしています。例えば,手術による長期回復期間のリスクを避けたい患者,もしくは,もはや他の手立てはない患者などです。サイバーナイフは,高線量の放射線を,高い精度で照射できるため,腫瘍部位を効果的に狙うことが出来,治療時間の短縮,副作用の最小化,そして患者がほぼ即時に日常生活を再開することを可能にします。」
これまでに,300以上もの論文審査のある学術専門誌が,脳,脊髄,肺,肝臓,すい臓,前立腺を含む全身のがんに対するサイバーナイフ・ラジオ・サージェリーの使用を推奨している。また,サイバーナイフによる様々ながん治療の有効性を更に探求するべく,多くの研究が現在行われている。
販売開始以来,サイバーナイフは,延べ5万人の患者の治療に使用されており,その約34%,およそ17000人の全世界の患者が2008会計年度中に治療を受けている。過去1年間,頭蓋外の治療実績が,大幅に増加している。
1) 前立腺がん:2008会計年度中,前立腺がん患者治療実績は,前年比95%増の約2000名となった。前立腺がんの患者の約半数以上が,過去1年間以内に治療を受けている。
2) 肺がん:肺がんの治療実績は全世界で前年度比44%の伸びを記録し,累計で6300名を超えた。現在では,全世界にあるサイバーナイフセンターの90%以上が,肺がん治療を行っている。
3) 肝臓がん:肝臓がんの治療実績は過去1年間で前年度比70%以上の伸びを記録し,そのほとんどが米国以外での治療によるものである。米国のみで見ると,肝臓がんの治療実績は前年度比52%となった。
4) すい臓がん:全世界ではすい臓がんの治療実績は前年度比15%増加し,累計で1000名となった。米国のみを見ると,前年度比70%増となっている。
今回の2008会計年度治療実績の伸びについて,アキュレイの社長兼CEO, ユアン・S・トンプソン博士(Euan S. Thompson, Ph.D.)は以下のように述べている。
「様々ながん治療に用いられる,サイバーナイフ・ラジオ・サージェリーの利点は,これら増えつつある治療実績により強調されており,ラジオ・サージェリー市場における,新たな模範を築きつつあることは明らかです。長期間に渡る治療成果の更なる研究が完遂され出版されるにつれ,これらの数値は引き続き大幅に増えていくものと信じています。」 |