(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(以下 フィリップス)は,首都大学東京が荒川キャンパスに最新の3.0テスラMRI装置 Achieva 3.0T (アチーバ)とAmbient Experience(アンビエント エクスペリエンス)を導入することを発表した。首都大学東京荒川キャンパス(健康福祉学部,前身は東京都立保健科学大学)は,看護学科・理学療法学科・作業療法学科・放射線学科を有し,放射線学科ではMR装置を用いて脳の機能を可視化するfunctional MRI や心臓の心筋の動きを分析するタギング等の基礎の研究を行っており,また,看護系の研究ではMRI装置を取り巻く検査環境に関する研究も重要視している。検査環境のアメニティーによる患者の不安除去に関する研究のために,検査室内の照明などの色調などを柔軟かつ簡便な操作で可変できる設備が必要とされ,フィリップスのAmbient Experience の納入を決定した。Ambient Experience は,既に全世界で50施設に導入されており,昨年末にアジアでは初めて,兵庫県立こども病院に導入された。今回首都大学東京の導入は,日本で2施設目,東日本初の導入となる。
Ambient Experience は,フィリップスが2003年12月に,放射線医療分野では世界最大規模の北米放射線医学会(RSNA)併設展示会において初めてそのコンセプトを発表し,製品化を実現した。このAmbient Experience は,フィリップスが掲げている“sense and simplicity(センス アンド シンプリシティ)”というブランドプロミスをもとにして,患者の視点に立って開発したもので,患者およびすべての医療スタッフに役立つものとなっている。
Ambient Experience は,フィリップスのヘルスケア事業部とライティング事業部が共同で開発したものである。これは,MRI 撮影室の天井に光の三原色である赤,青,緑の光が無段階に調光できる光源を配置して,部屋全体の色調を変えるもの。これにより,MRI 装置の撮影室に入るとあたかも虹の中にいるように,壁面も天井も思いのままの色調に変化させることができる。さらに,壁面には,患者の好みに応じて海岸や山の風景,またはアニメの動画を選び,壁に投影される色調を変えてBGM と一緒に投影することができる。つまり,患者が撮影室に入ると,まるで別世界にいるような気分になり,リラックスすることができる。
首都大学東京健康福祉学部 繁田雅弘学部長は,「フィリップスの最先端のMRI装置とAmbient Experience を首都圏で初めて導入することを大変うれしく思っております。この設備を生かして患者様と検査環境に関する積極的な研究を行っていきたいと考えています」と述べている。
同社 ヘルスケア事業部 社長兼執行役員 藤原浩氏は, 「首都大学東京様に世界中で導入が進んでいるAmbient Experience が導入れるのをきっかけに,子供にもやさしい医療検査環境のサポートを展開していきたいと考えています。フィリップスは,最先端のアンビエント技術を応用し,人を中心にした生活の質の向上をサポートする様々な分野の製品開発に取り組んでいます」と述べている。 |