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MRI  MRI

GE横河メディカルシステム
MRIの最上位機種2製品を同時発売

〜国内初,局所的な静磁場不均一解消に成功,
全身領域の高精細画像描出を実現〜

(2008/9/9)

●価格
Signa HDxt 1.5T
6億8,500万円 (構成により異なる)
Signa HDi 1.5T
6億6,000万円 (構成により異なる)
●問い合わせ先
GE横河メディカルシステム(株)
広報グループ
TEL 042-585-9249
http://www.gehealthcare.co.jp

Signa HDxt 1.5T

 GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム(株)は9月9日(火)から,同社製MRI(磁気共鳴断層撮影装置)「Signa(シグナ)」シリーズの最上位機種「Signa HDxt 1.5T(シグナ・エイチディーエックスティー・1.5テスラ)」と「Signa HDi 1.5T(シグナ・エイチディーアイ・1.5テスラ)」を,大学病院や地域基幹病院を主対象に発売する。

 Signa HDxt 1.5TとSigna HDi 1.5Tは,全身領域の3次元(Volume)撮像を可能した「Signa HDx(シグナ・エイチディーエックス)」シリーズ(2006年10月発売)の後継機種で,Signaシリーズの最上位機種となる。Signa HDxt 1.5Tの最大の特長は,頭・頸部や脊椎など撮影部位ごとに最適化された高性能コイル,部位別のVolumeアプリケーション,そして大量の撮影データの超高速画像再構築(リコンストラクション)という全身領域のVolume撮像に必要な3要素を高い次元で融合し,さらに医療機関から高いニーズがあった新規のVolumeアプリケーションを追加搭載したことである。

 Signa HDxt 1.5Tの中核をなす新規アプリケーションが,国内で初めて,局所的な静磁場不均一の際にも高精細画像の描出を可能にした「IDEAL(アイデアル)」。患者がテーブルに乗ってMRIの架台の中に入ると,全身に静磁場がかかるが,複雑な形状を有する頚部や空気を多く含む胸部,手術後の生体内金属の周囲など,原理的に静磁場が不均一になりやすい部位がある。静磁場が均一にかかっている状態では,人体の脂肪をムラなく抑制した画像描出(脂肪抑制画像)ができるが,静磁場が不均一な箇所ではこの抑制がうまくできず,結果として局所的な画質の低下が発生していた。Signa HDxt 1.5Tは,新開発の「フィールドマップ」技術を搭載することでこれを克服,国内のMRIとしては初めて,局所的な静磁場の不均一が発生した際にも,頭部から脚部までのすべての部位において,高精細画像の描出に成功した。

IDEALを使用した撮影画
頚部は複雑な形状(黄色い丸印)を有するため静磁場が不均一になり,局所的な画質低下につながっている(左図) 「IDEAL」を使用することで,静磁場不均一時にも,高精細な撮像を実現(右図)

 もう一つの核となる新規アプリケーションが,数多くの撮影方法でのVolume撮像を可能にする「Cube(キューブ)」。これまでMRを使用した血管撮影(MRアンギオグラフィー)や,解剖学的構造が捉えやすいT1強調画像など,Volume撮像が可能な撮影方法は限られており,骨軟部の評価に有用なプロトン密度強調画像や,脳脊髄液に接する病変を検出しやすくするフレアー法などでは不可能だった。Signa HDxt 1.5Tは,「モジュレーテッドRF」と呼ばれる特殊RFパルスを生成する技術を新たに搭載し,プロトン密度強調画像,フレアー法,ならびに病変の拾い出しに有用性の高いT2強調画像の3つの撮影方法においてもVolumeの撮像を可能にした。臨床的には,特に頭部における全ルーチン検査のVolume撮像が可能になり,一段と精度の高い診断ができるようになる。

 Signa HDxt 1.5Tは,頭・頚部や脊椎のみならず,乳房やひざ関節,手首に至るまで各撮影部位に最適化された7種類以上の高性能HDコイル(8チャンネル以上のRFコイル)を揃えている。また,左右の乳房のVolume画像を一回で撮影し,乳腺腫瘍の鑑別診断に有用性の高い「Vibrant(バイブラント)」や,高分解能と高コントラストを両立し,腹部のVolume撮像に有効な「LAVA(ラバ)」といった既に医療機関から高い評価を得ているVolumeアプリケーションを搭載するなど,頭部から脚部までの高精細なVolume画像の描出を実現している。

 さらに,従来のMRIでは高分解能で数多くの枚数を撮影すると,撮影後の画像計算に時間がかかっていたが,SIGNA HDxt 1.5Tでは一秒間で2,700枚と,業界最速レベルの超高速画像再構築(リコンストラクション)を実現し,検査効率の向上に貢献している。その他,Signa HDxt 1.5Tは,本体とテーブルをワンタッチで脱着可能な「モービル型患者撮像テーブル」を採用し,撮影中に患者の容体が急変した際など緊急時の退避性に優れた設計となっている。

 Signa HDxt 1.5Tと同時発売となるSigna HDi 1.5Tは,Signa HDxシリーズの機能性を継承しつつ,操作性を一段と向上した機種で,MRIのさらなる多用途化を図る医療機関のニーズに応えるモデルとなっている。