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アキュレイ
肺がん治療における
サイバーナイフによる
ラジオ・サージェリーの効果を実証
「Clinical Lung Cancer」の臨床データから

(2008/8/28)

●問い合わせ先
アキュレイ・インコーポレイテッド広報事務局
フォーカスト・コミュニケーションズ(株)
白井
TEL 03-5157-0033 FAX 03-5157-0031
E-mail: mshirai@focused.co.jp


 ラジオ・サージェリーの世界的リーダーであるアキュレイ・インコーポレイテッドは,サイバーナイフによる臨床データが各機関から発表され,その臨床効果が科学的に立証されるにつれ,サイバーナイフによる治療件数が急増していると発表した。過去12ヶ月間で肺がん治療にサイバーナイフが使用された件数は,ほぼ5割増,治療件数は,6,000例強に達したことが明らかになった。

  米医学雑誌「Clinical Lung Cancer」(2008年7月号)では,ビッツバーグ・メディカル・センター(ペンシルベニア州ピッツバーク)で行われた肺がんの体幹部定位放射線治療(SBRT)の臨床研究データが発表されている。同臨床研究は,2005年から2007年の間に51名の肺がん患者に対してサイバーナイフによる治療が行われ,その結果は「原発性,再発,そして転移肺がんにおける分割定位放射線治療」と題する研究レポートにまとめられている。 (参照先リンク

 同研究レポートによると,51名の治験者は,1)非小細胞肺がん 原発性ステージ1(26名)2)術後再発(12名),3)転移(13名)の患者で,いずれも手術による加療が困難,あるいは,手術を拒否した患者で,サイバーナイフによる治療を通院ベースで3日間行った。

 各患者の治療後1年目の腫瘍コントロールと生存率は良好な結果が得られた。腫瘍増殖の抑制は,原発性がん患者の85%に見られた。肺がんの再発グループでは,腫瘍増殖の抑制が92%,転移がんでは62%に見られた。この治療結果は,従来の放射線治療と比較し,画期的な結果となった。従来の治療法では,局所制御がうまくいかず,5年の追跡調査で,生存率は10%から30%の範囲であったと記されている。

 また,治療後1年間の追跡調査では,従来の放射線治療やより侵襲性の高い治療法では治療後に合併症や副作用を発症させ,患者のQOLが損なわれるケースがあったのに対して,サイバーナイフによる治療ではそのような症状はほとんどなかったとしている。

 従来の放射線治療では,通常,4-6週間の加療期間を要するのに対して,サイバーナイフによる治療では,3回の短い通院による加療だけである。がんという生命を脅かす病魔と闘っている患者にとって,通院や入院で何ヶ月も費やすことなく,自分のライフスタイルを守り,家族との時間を確保することはQOL上大変に重要なことである。

 調査を行ったビッツバーグ・メディカル・センター腫瘍放射線部長のヘロン医師(Dwight Heron, M.D.)は次のように語っている。「サイバーナイフによる治療は,非侵襲性で,局所管理率が高く維持でき,さらに最小限の毒性で,肺がん治療の重要なツールとなっています。今回行った調査で裏づけされたように,これまで手の打ちようがなく,選択の余地がほとんどなかった患者さんにとっては特に朗報です。サイバーナイフによる治療は,これまでのQOLを保ちながら,前向きな結果を期待することができるからです」

 治療には「Synchrony® 呼吸同期トラッキングシステム」を使用した。同システムは腫瘍を3次元立体映像で捉え,リアルタイムでビーム照射することのできる世界で唯一の装置。同装置により,治療中に患者は普通に呼吸をすることができる。一方で,腫瘍周辺の正常組織へのダメージを最小限に抑えて,腫瘍の動きに合わせたピンポイントの高精度な照射を行うことができる。同調査では,「精度を確保しながら,動きによる不安定さが少ないため,ターゲット・ボリューム・マージンを下げることができる」としている。

 アキュレイ社社長兼CEOのユアン S. トムソン博士(Dr. Euan S. Thomson)は次のように語っている。「サイバーナイフ・システムによる臨床研究が毎年発表されています。発表されるごとに,医学界での自信が高まり,患者さんからの期待が高くなってきています。サイバーナイフへの期待は世界中で沸き起こっており,医師の方々には,よりよい治療法を提供し,患者さんには,合併症がなく,早期に社会復帰できる治療の選択肢を提供しています」

 全米がん協会(ACS)によると,肺がんは死因の第1位であり,2008年のがん死亡数のおよそ29%を占めている。1987年以来,米国では,肺がんは乳がんを抜いて女性の死因の1位になっている。2008年中に肺がんと診断される患者数は215,000人となり,肺がんは新たにがんと診断される患者の15%を占めるであろうと推測している。

 なお,日本では,「サイバーナイフII」が2008年6月に適用拡大の承認を得て,肺がんをはじめとする体幹部腫瘍の治療に使用することができるようになった。