(株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン(以下フィリップス)は,自動体外式除細動器(以下AED)の総出荷台数が2008年7月に10万台を突破したと発表した。
突然の心停止の患者数は,毎年10万人といわれており,その主な原因の一つである心室細動に対する唯一の治療法が除細動である。心停止後,救命率は時間が経つごとに1分で7%〜10%減少すると言われている。一方,標準的な地域で救急隊員が患者の所に到着するまでの所要時間は約6分程度かかるとされている。2004年7月1日の法改正で,医療従事者だけでなく一般市民にもAEDの使用が可能になり,空港や航空機内,市役所等をはじめとする公共施設,職場,学校等で救命率向上のため,急速に普及が進められている。
同社は,2002年医療従事者を中心に「ハートスタートFR2」を販売開始,2005年12月に非医療従事者向けに「ハートスタートHS1」を販売開始した。さらに2008年4月に販売開始した「ハートスタートFRx」は,CPRコーチング機能に加え,屋外などの過酷な環境下でも使用できる堅牢性を備え,成人・小児共通のパッドを採用し,パッドを付け替えることなく,キーを差し込むことで小児モードに切り替わる機能を搭載しており,場所や環境を問わず設置できるAEDとして,販売開始と同時に多くの施設の方々に支持されている。本年度,同社の上記3機種ラインナップが揃い,様々な顧客のニーズにあったAEDを提供できる体制が整い,10 万台を突破することとなった。
同社ヘルスケア事業部 社長執行役員 藤原浩氏は,「フィリップスのAEDハートスタートは世界で最大のシェアを持っており,現在約50万台以上が導入されています。欧米諸国では公共施設だけでなく各家庭や職場にも常備されているなど,生活の一部として幅広く普及しています。日本においてもフィリップスのAEDは最大のシェアを持っており,10万台を機にAEDがより近くにある環境を目指しながら,今後もハートスタートの普及を通じて救命率の向上に貢献してまいります。」と語っている。 |