GE Healthcareの一員であるGEヘルスケア バイオサイエンス(株)は,研究開発用機器などの資産管理サービス“Scientific Asset Services(サイエンティフィック・アセット・サービス)”を本格導入する。
Scientific Asset Servicesは,すでに欧米諸国では実績があり,研究開発に携わる顧客が従来自ら行っていた研究機器などの資産管理やメンテナンス管理を,その機器メーカーに関わらず,同社が代行するサービス契約。各メーカーとの契約や連絡の窓口となるばかりでなく,訓練を受けた同社エンジニアがGE社製以外の機器のメンテナンスを行うこともできる。GE Healthcareには他社製品に関するトレーニングを行うシステムが確立されており,また,同社がもつグローバルなネットワークを生かして各メーカーのパーツの供給も可能。契約内容によっては,同社エンジニアを顧客のサイトに常駐させることもできる。
顧客所有の研究機器の管理を一元化することにより,機器のライフサイクルを決定するメンテナンス履歴管理やダウンタイム計測などができ,機器の運用効率アップ,ひいてはコスト削減も可能となる。また,製薬会社や研究機関の研究開発担当は,たとえば小さい部品の交換のために各メーカーの連絡先を調べる,機器によって内容や期間の違う保守サービス契約を確認する,点検スケジュールを調整するなどの煩雑な業務に時間をとられることなく,本来の研究開発業務に集中できる。
このサービスを導入している中外製薬(株)CMC企画推進部の小嶋慎也氏は,「より効率的な研究活動を行うため,研究・検査機器への投資やメンテナンスに関して,これまでとは異なる取組みが必要であると感じておりました。今般,GE HealthcareのScientific Asset Servicesを導入したことで,研究機器投資の最適化や機器メンテナンスの効率化が進み,これまで以上に研究員がより多くの時間を研究活動に費やすことができるなど,大きな変革の実現につながりました。」とScientific Asset Servicesのサービス内容を高く評価している。
現在,GE Healthcareでは,世界で1,000人以上のエンジニアが,14,000以上のGE社製以外の研究機器に対しScientific Asset Servicesを提供している。
● Scientific Asset Services(サイエンティフィック・アセット・サービス)詳細
特長1)資産管理
顧客のサイト全体の機器稼動状況を同社が管理することにより,効率よく研究機器が利用できるようになる。たとえば研究所間での遊休機器の移動,ワークフローの最適化,複数機器の同時点検などが可能。各メーカーとそれぞれ調整する時間が不要の上,顧客の操業状況に応じて,機器構成全体を見据えた効率のいい点検スケジュールを提案する。
特長2)メンテナンスコストと機器のダウンタイムの削減
GE Healthcare独自のパーツ供給ルートを通じて,各メーカーが提供しているものと同様のメンテナンス(保守点検や修理)を行うことが可能。同社エンジニアが顧客のサイトに常駐することにより(契約による),派遣料などのコストが削減でき,さらに修理履歴や点検項目の最適化を行うことで,これまで顧客が負担していた総サービスコストの長期的削減も可能。また,修理を依頼してからエンジニアを待つ時間が不要のため,機器のダウンタイム(機器が稼動できていない時間)が短縮できる。
特長3)研究員の生産性向上
同社スタッフが,顧客に代わり,定期点検のスケジュール管理,機器メーカーやサービス会社の訪問日程調整,現場での対応などを行うので,研究員がメンテナンス関連業務に費やす時間が短縮できる。これにより,研究員は,より高付加価値で生産性の高い業務に常に従事できる。 |